テストステロンとは?男性の体と心への作用、減るサイン、自然に増やす方法から治療まで
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このコラムのポイント
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テストステロンは筋肉・骨・性機能・気分・血管まで全身に効く男性ホルモン。20代をピークに加齢で減る。
自然に増やす方法は筋トレ・睡眠・食事(亜鉛・ビタミンD)・ストレス対策・刺激の5つ。
自分でやって改善しない場合はテストステロン補充療法(TRT)が選択肢。LOH症候群なら保険適用。
テストステロン低下は血管性EDにつながりやすく、薬では届かない部分にレノーヴァ(衝撃波治療)が補完選択肢になる。
テストステロンは男性の体と心を支える代表的な男性ホルモンで、筋肉量・性欲・気力・集中力・骨密度・体脂肪の付きやすさまで広く影響しています。20代をピークに加齢とともに少しずつ減少しますが、減り方には個人差があり、急激に減るとLOH症候群(男性更年期障害)として治療の対象になります。
この記事では、テストステロンの基本的な働き、減ったときに体と心に出るサイン、自分で増やす方法(筋トレ・睡眠・食事)、医療機関で行われる注射やテストステロン補充療法までを順に整理します。
テストステロンを30秒で理解する3つの数字
分泌量がピーク
減るとされる量
10〜15%低下する
※「20代がピーク」「年1〜3%減少」はMulligan T et al., Int J Clin Pract. 2006(HIM study)より
※「睡眠5時間で10〜15%低下」はLeproult R, Van Cauter E. JAMA. 2011より
20代をピークに、40代以降は毎年1〜3%ずつ減少。50代になると治療検討の目安水準に近づく男性が増えてきます。
テストステロンとは?男性の体と心に効く10の作用
お悩み男性
編集部
テストステロンは精巣(睾丸)のライディッヒ細胞で約95%、副腎で約5%が作られる男性ホルモンです1。コレステロールを材料にして合成され、血流に乗って全身の細胞に届き、それぞれの組織で違う働きをします。
| 影響する場所 | 主な作用 |
| 筋肉 | タンパク質合成を促進し、筋肉量・筋力を維持する |
| 骨 | 骨密度を維持する。減ると骨粗しょう症のリスクが上がる |
| 脂肪 | 内臓脂肪をつきにくくする。減ると肥満になりやすい |
| 性機能 | 性欲・勃起力・精子形成に関わる |
| 血管 | 血管を拡げる物質(NO)の産生を助け、血流を保つ |
| 脳 | 記憶・集中力・空間認知に関わる |
| 気分 | やる気・前向きさ・チャレンジ意欲を支える |
| 血液 | 赤血球の生成を促す |
| 体毛 | 髭・体毛の発毛、皮脂分泌 |
| 声 | 思春期に声を低くする(成人後はあまり変化なし) |
「筋肉を作るだけのホルモン」と思われがちですが、実は気分や集中力、血管の状態にまで関わる司令塔的なホルモンです。減ると体つきだけでなく心まで変化が出る、という性質を覚えておくと、後の話がつながります。
テストステロンが減るとどうなる?年齢別の変化と減少サイン
お悩み男性
編集部
テストステロンは20代でピークに達し、その後はゆっくり減っていきます。健常な人では年に1〜3%程度の減少が報告されています(参考:Mulligan T et al., Int J Clin Pract. 2006(HIM study))。ストレス・睡眠不足・肥満・加齢で減少が加速し、急に「やる気が出ない」「眠れない」「性欲がなくなった」といった症状として表面化することがあります。
| 年代 | テストステロンの傾向 | 出やすい症状 |
| 20代 | 一生のピーク | 基本的に問題なし。睡眠不足・過剰な飲酒で一時的に低下 |
| 30代 | 徐々に減り始める | 疲労感、性欲減退、運動後の回復が遅い |
| 40〜50代 | 年1〜3%減少。急減でLOH症候群 | やる気の低下、不眠、抑うつ、勃起力低下、内臓脂肪増加 |
| 60代以降 | 緩やかな減少が続く | 骨密度低下、筋力低下、認知機能低下のリスク |
こんな症状が当てはまる場合はチェック対象
次のセルフチェックで3つ以上当てはまる場合、男性ホルモン検査の対象になります3。
テストステロン低下のセルフチェック(男性更年期傾向)
気になるものにチェック。3つ以上当てはまる場合は男性ホルモン検査の対象です。
テストステロンを自然に増やす5つの方法
お悩み男性
編集部
方法1:筋トレ(特にスクワット・デッドリフトなど大きな筋肉を使う種目)
テストステロンを増やすうえで最も効果が確認されているのが筋トレです。一度に多くの筋肉を動かすコンパウンド種目(多関節運動)がテストステロン分泌を促すとされています4。
| 種目 | 使う筋肉 | 頻度の目安 |
| スクワット | 大腿四頭筋・大殿筋・体幹 | 週2〜3回 8〜12回×3セット |
| デッドリフト | 背中・お尻・ハムストリング | 週1〜2回 5〜10回×3セット |
| ベンチプレス | 大胸筋・三角筋・上腕三頭筋 | 週2〜3回 8〜12回×3セット |
| プルアップ(懸垂) | 広背筋・上腕二頭筋 | 週2〜3回 限界回数×3セット |
筋トレ強度は中〜高強度(自分の限界の70〜85%程度の重量)が目安です。1セッション45〜60分、週2〜3回が現実的な落としどころで、毎日やるよりも休息日を挟む方が効果が高いとされています。
方法2:睡眠時間と質を確保する
テストステロンの分泌は睡眠中(特にレム睡眠中)にピークを迎えます。健康な若年男性を対象とした研究で、1週間の睡眠制限(5時間/日)でテストステロン値が約10〜15%低下したことが報告されています(参考:Leproult R, Van Cauter E. JAMA. 2011)。
- 就寝時刻を毎日同じにする
- 寝る1時間前のスマホ・PCを控える
- 寝室を真っ暗にする(少しの光でメラトニン分泌が落ちる)
- 就寝前のお酒を控える(睡眠の質が落ちる)
方法3:食事でホルモン材料と亜鉛・ビタミンDを補給
テストステロンはコレステロールから作られるため、極端な脂質制限は逆効果です。特に重要なのが亜鉛・ビタミンD・タンパク質。
| 栄養素 | 役割 | 多い食品 |
| 亜鉛 | テストステロン合成に必須 | 牡蠣、牛肉、レバー、納豆、カシューナッツ |
| ビタミンD | テストステロン値と相関あり | 鮭、サバ、卵黄、日光浴(10〜15分/日) |
| タンパク質 | 筋肉・ホルモン材料 | 鶏胸肉、卵、魚、大豆 |
| 良質な脂質 | ホルモンの材料 | アボカド、オリーブオイル、ナッツ |
方法4:ストレス対策(コルチゾールを下げる)
慢性的なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)を高め、テストステロンと拮抗的に作用します。瞑想・ヨガ・自然に触れる時間を意識的に作るだけで、テストステロンが上がるという報告があります。
方法5:刺激(恋愛・チャレンジ・勝負)
意外と知られていませんが、人と触れ合う・新しいことに挑戦する・勝負に勝つといった「刺激のある経験」でテストステロンは一時的に上がります。家にこもりがちで刺激の少ない生活が続いている場合は、生活パターンの見直しが効くこともあります。
自分で改善しないとき。テストステロン注射と補充療法(TRT)という選択肢
お悩み男性
編集部
テストステロン補充療法(Testosterone Replacement Therapy:TRT)は、注射でテストステロンを直接補う治療法です。日本で広く使われているのは「エナント酸テストステロン(エナルモン®)」という注射薬で、2〜4週間に1回の頻度で接種します。
| 注射の種類 | 頻度 | 特徴 |
| エナント酸テストステロン 125mg | 2〜3週に1回 | 日本で標準的。保険適用 |
| エナント酸テストステロン 250mg | 3〜4週に1回 | 通院頻度を抑えられる |
| ウンデカン酸テストステロン(長期作用型) | 10〜14週に1回 | 欧州ガイドライン推奨。日本で使えるクリニックは限定的 |
TRTで知っておくべきこと
- LOH症候群と診断されれば保険適用。総テストステロン値が一定以下、症状あり、が条件
- 多血症・前立腺肥大の悪化・睡眠時無呼吸の悪化などの副作用があるため、定期的な血液検査と前立腺検査が必要
- 妊娠を希望している場合は要相談。3〜6か月で精子数が減り、無精子になることもある
- 始めたらやめにくい、というイメージがあるが、生活改善と並行して徐々に減量・終了することも可能
「いきなり注射は怖い」という人は、まず男性ホルモン検査(採血)で自分のテストステロン値を知るところから始められます。基準値内なら生活改善で十分なケースもあります。
テストステロン低下からくるEDには、薬以外の根本治療「レノーヴァ」もある
お悩み男性
編集部
テストステロンとEDが同時に進む理由
テストステロンは血管を拡げる物質(NO:一酸化窒素)の産生に関わっています。テストステロン低下が長く続くと、陰茎海綿体への血流が落ち、勃起そのものが起こりにくくなる血管性EDへつながりやすいことが知られています。つまりテストステロンと血管は連動していて、片方だけ治しても十分でないことがあります。
テストステロン補充療法(TRT)は「ホルモンの不足」を埋める治療で、性欲・気力・筋肉量には効きやすい一方、すでに進んだ血管側の問題には直接届きません。ここで選択肢に入ってくるのが、薬や注射ではなく陰茎の血管そのものを改善するアプローチです。
レノーヴァは陰茎の血管を再生する低衝撃波治療
レノーヴァは、イスラエルのダイレックス社が開発した医療機器を使った低出力体外衝撃波治療(Low-intensity Extracorporeal Shockwave Therapy:Li-ESWT)です。陰茎に弱い衝撃波を当てて血管内皮細胞を刺激し、新しい血管が育つのを促す仕組みで、世界70か国以上で導入されています。痛みや麻酔は不要で、1回約20〜30分の施術を週1回×4回(1クール)続けるのが標準的なスケジュールです。
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| 項目 | ![]() |
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| 薬・治療 | ED治療薬 (ED治療薬) |
レノーヴァ (衝撃波治療) |
| アプローチ | 対症療法 (飲んだ時だけ効く) |
根本治療 (血管そのものを改善) |
| 使うタイミング | 性交の数十分〜36時間前 | タイミング不要 |
| 通院頻度 | 必要な時に処方 | 週1回×4回(1クール約1か月) |
| 効果が出るまで | 即効性あり(30〜60分) | 数週間〜数か月かけて徐々に |
| 長期的な見通し | 薬を飲み続ける必要 | 薬なしで自然な勃起を目指せる |
| Dクリニック料金 | バイアグラ50mg 990円〜 シアリス10mg 1,430円〜 レビトラ10mg 1,540円〜 |
初回トライアル 53,900円 4回セット 246,400円 (1回あたり61,600円・20%OFF) |
| 詳細・処方 | ED治療薬を見る ▶ | レノーヴァを見る ▶ |
※税込価格/別途初診料・再診料3,300円(税込)/レノーヴァは保険適用外の自由診療
こんな人にレノーヴァが向いている
- ED治療薬を飲んでも効果が薄くなってきた、または期待ほど効かない
- 毎回タイミングを計って薬を飲む生活から卒業したい
- ED治療薬の副作用(頭痛・ほてり・鼻づまり)が気になる
- テストステロン補充だけでは勃起の改善が不十分だった
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症など血管へのリスク因子を持っている
- 長期的に薬を飲み続けるコスト・通院の手間を減らしたい
逆に、ED治療薬で十分満足している人や、性交の機会が稀で必要なときだけ対応できれば良い人は、無理にレノーヴァを選ぶ必要はありません。「薬では届かない部分に手を伸ばしたい」段階で検討するのが現実的です。
Dクリニックでは、男性ホルモン検査・ED治療薬・レノーヴァを同じ医師の判断で組み合わせられるため、テストステロン補充だけで足りない場合の次の一手まで連続的に相談できます。
レノーヴァ治療について詳しく見る
Dクリニックの男性ホルモン検査とテストステロン補充療法
お悩み男性
編集部
Dクリニックは1999年から男性医療を専門に行ってきたクリニックで、テストステロン低下の検査から治療までを一貫して相談できます。
| サービス | 内容 | 費用の目安 |
| 男性ホルモン検査 | 採血でテストステロン値を測定 | 16,500円(税込) |
| テストステロン補充療法 | 注射でテストステロンを補う | LOH症候群と診断時は保険適用 |
| 更年期服薬療法 | 漢方など内服治療 | 処方による |
| ED治療・レノーヴァ | 血管性EDが背景にあるとき | 自由診療 |
「やる気が出ない」「性欲が落ちた」「眠れない」といった漠然とした不調があるとき、自分の数値を知ることで「気のせいか実体のある問題か」が客観的に分かります。検査結果に応じて生活改善で十分か、治療が必要かを医師と一緒に判断できます。
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| 男性ホルモン検査 16,500円〜 |
テストステロン 補充療法 |
レノーヴァ (衝撃波治療) |
まとめ
お悩み男性
編集部
テストステロンは男性の体・心・性機能・血管・脳を支える司令塔的なホルモンで、20代をピークに加齢で減少します。減り方が急だとLOH症候群として治療の対象になり、注射によるテストステロン補充療法(TRT)が選択肢になります。
自分でできる対策の中心は筋トレ・睡眠・食事。これらを1〜2か月試しても改善しなければ、男性ホルモン検査で数値を確かめてから、治療の必要性を判断するのが安全な順序です。性欲低下と勃起力低下の両方が出ている場合は、ED治療薬や根本治療のレノーヴァも組み合わせる選択肢があります。
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| まずは男性ホルモン検査から ▶ |
参考文献
- 日本泌尿器科学会・日本Men’s Health医学会「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)診療の手引き」
- Mulligan T, et al. “Prevalence of hypogonadism in males aged at least 45 years: the HIM study.” Int J Clin Pract. 2006;60(7):762-769. PubMed
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「男性更年期障害」e-ヘルスネット
- Vingren JL, et al. “Testosterone physiology in resistance exercise and training: the up-stream regulatory elements.” Sports Med. 2010;40(12):1037-1053. PubMed
- Leproult R, Van Cauter E. “Effect of 1 week of sleep restriction on testosterone levels in young healthy men.” JAMA. 2011;305(21):2173-2174. PubMed
- 厚生労働省「保険適用医薬品リスト(エナント酸テストステロン)」PMDA添付文書 PMDA











