ED薬が効かない理由と血管性EDの仕組みを辻村晃医師が解説 | Dクリニックメンズヘルス【公式】-ED・男性更年期治療・男性の健康専門外来

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ED薬が効かない理由と血管性EDの仕組みを辻村晃医師が解説

このコラムのポイント

  • ED治療の第一選択がPDE5阻害薬である理由と適切な飲み方

  • 血管性 EDの仕組みとなりやすい人の特徴

  • ED薬が効かなかった場合の次の治療選択肢

ED治療の第一選択はPDE5阻害薬(バイアグラなど)。ただし、有効率は約80〜90%で、効果を実感できない方も一定数います。理由のひとつが 「血管性ED」。全身の動脈硬化がペニスの細い血管にも影響していて、薬で血管を広げても、もとの血流が回復しないという状態です。

今回は、ED薬の正しい使い方、血管性EDの仕組み、そして薬が効かなかった場合の次の選択肢について、辻村晃先生(順天堂大学医学部附属浦安病院 泌尿器科 教授)に伺いました。
辻村晃先生
監修医師
辻村 晃(つじむら あきら) 先生

順天堂大学医学部附属浦安病院 泌尿器科 教授
Dクリニック東京 男性専門外来 担当医

経歴

大阪大学で泌尿器科の研究・臨床をスタート。医師生活初期からアンドロロジー(男性学)、すなわち男性ホルモンに関わる男性不妊、性機能障害、男性更年期、前立腺疾患などの領域を中心に診療を続ける。2014年に順天堂大学へ移り、現在は浦安病院で診療と臨床研究にあたる。アンドロロジー専門で約30年、累計診療経験は1万人を超える

学会活動・主要業績

  • 日本性機能学会 2023年「男性性機能障害全国調査」臨床研究促進委員会 委員長(n=6,228、ED有病者数約1,400万人を推計)
  • International Journal of Urology 2023年4月号にて、レノーヴァ治療484名の解析論文を発表(PMID: 36575829、患者満足度71.1%)

この記事で先生に伺ったテーマ

  • ED治療の第一選択は、若年層から高齢者まで共通でPDE5阻害薬になる
  • 勃起は、海綿体スポンジに血液が流れ込んで起こる現象である
  • 血管性EDは動脈硬化が原因で、生活習慣病を抱える人ほどなりやすい
  • ED薬の有効率は約80〜90%、効かない原因として多いのは「飲み方の問題」
  • 薬が効かなくても、ビガー2020・海綿体注射・レノーヴァの3つの選択肢がある

ED治療の入口、PDE5阻害薬は若年層から高齢者までが最初に試す薬

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編集部

20代・30代の方に対しても、第一治療はED薬になるのでしょうか?
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辻村先生

基本的にEDに対する治療の第一選択は、お薬ですね。一番皆さんがご存知のバイアグラというお薬と同じタイプの薬が、日本では3種類使われています。PDE5阻害薬と呼ばれるものです。

これを用いて治療するというのが、若い方でなくても、いかなる方であっても、治療の第一番になります。
「PDE5阻害薬」とは
ペニスの血管を広げる体内の物質(cGMP)を分解する酵素(PDE5)の働きを抑え、血流を改善する薬の総称。性的刺激があった時にだけ作用する仕組みで、勃起しっぱなしになる薬ではありません。
日本で承認されているPDE5阻害薬3種類
シルデナフィル(先発品名:バイアグラ
バルデナフィル(先発品名:レビトラ ※2021年で先発品の販売終了、後発品は流通)
タダラフィル(先発品名:シアリス
3剤とも空腹時の服用が基本(特にバイアグラは食事の影響を受けやすい)。

勃起のしくみ、海綿体スポンジに血液が流れ込むことで起こる現象

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編集部

勃起時に、体内ではどのような現象が起きているのでしょうか?
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辻村先生

性的な刺激があったときに、勃起に重要とされる神経伝達物質が出ます。それによってペニスの血流が良くなって、ペニスの中に血液がどんどん流入してくる。

ペニスの中というのはスポンジのような構造(海綿体)をしていて、そのスポンジに血液がどんどん注ぎ込まれてくると、スポンジがパンパンになる。これが勃起という現象です。

そして、スポンジに溜まった血液がやがて他の場所に戻っていって、勃起が収まる。バイアグラは、この血流を良くするようなお薬ということになりますね。
「海綿体(かいめんたい)」とは
ペニスの中にあるスポンジ状の組織で、性的興奮で血液が流れ込むと膨張して勃起が起こります。海綿体は陰茎海綿体(2本)と尿道海綿体(1本)の3本構造です。

血管性EDのメカニズム、動脈硬化が陰茎血流を止めている

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編集部

血管が原因となる EDの仕組みについて教えてください。
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辻村先生

イメージするのは、やはり動脈硬化です。

動脈硬化が強い方は血流が悪くなるので、ペニスの中のスポンジである海綿体に血液がどんどん注入することができず、勃起力が低下する。これが血管性、つまり血流が悪い方の勃起障害の流れです。

血管性EDになりやすいのは生活習慣病を抱える人

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編集部

血管性EDになりやすい人には、どんな特徴がありますか?
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辻村先生

血管性EDになりやすい方は、単に勃起だけじゃなく血管そのものの問題ですから、動脈硬化がペニスにだけ起こっているわけではありません。

コレステロールが高い、中性脂肪が高い、糖尿病。そういった方は動脈硬化を起こしやすくなり、血管性の勃起障害が起こってきます。

また、単に血圧が高いだけでも影響します。血圧が高いというのは、常に血管の中で圧力が高く、血管の壁をずっと押し続けていることになります。通常よりも高い圧力で押し続けているという方は、血管の壁がどんどんダメージを受けて、血流が悪くなってくる、と考えられています。
血管性EDのリスクファクター
コレステロール高値/中性脂肪高値/糖尿病/高血圧
いずれも動脈硬化を進行させ、ペニス海綿体への血流低下を招きます。

ED薬の有効率は80〜90%、効かない人は「飲み方」をチェック!

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編集部

ED薬の効果を実感したのは約25%という調査結果もあります。なぜ効果を実感できない方が多いのでしょうか?
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辻村先生

そんなものだと思います。バイアグラをはじめとするPDE5阻害薬が 100%効果が出るわけではないので。臨床試験のデータでも大体 80%とか 90%と言われていました。

もちろん年齢や、その方の全身状態によって有効率は変わってきますから、一概には言えませんが、当然 100%ではありません。効果が出ない、満足いかない方が数%から数十%おられるのは当然だと思います。
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辻村先生

そういった方々で一番多いのは、飲むタイミングが好ましくないというケースです。バイアグラは空腹時に飲んでくださいというお薬なのですが、お薬を食後に飲む習慣がついている方は、夕食を食べた後にバイアグラをポンと飲んでしまう。そうすると効果が半減すると言われていますので、本来空腹時に飲むべき薬剤を食後に飲んでしまうと、やはり効果が出にくいんですよね。

満足できずに「ちょっと薬を変えてみようかな」というようなことにつながるのかな、と思いますね。
ED薬を効かせるためのポイント
バイアグラなど食事の影響を受ける薬は空腹時の服用が基本。食後すぐの服用は効果が半減する可能性があります。

ED薬が効かなくても諦めないで!残された3つの治療法とは?

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編集部

血管性EDの方で、ED薬が効かなかった場合の治療法を教えてください。
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辻村先生

まず第一番が PDE5阻害薬。これが最初の治療法になります。なぜ最初かというと、単にお薬を1錠飲むだけの一番試しやすい治療だからです。

これが効かなかった場合、特に血管性EDの方となると、次に試す治療はいくつかあります。
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辻村先生

日本で推奨されている治療のひとつが、陰圧式勃起補助具です。ペニスを取り囲むようにして陰圧にすることで、ペニスの中に血液を引き込んでくる。「ビガー2020」という機器が日本では医療認可を通っています。

他に同じようなものはネットで売っていますが、それはほぼおもちゃに近いものです。医療機器として認められているのはビガー2020のみです。
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辻村先生

もうひとつが、陰茎海綿体に強力な血管拡張薬を直接注射する治療です。プロスタグランジンE1という薬を使います。

世界的にはごく当たり前の治療ですが、日本ではプロスタグランジンの陰茎注射は「検査薬」としての認可で、治療として扱うと認められないんです。なので、きちんとした倫理委員会のもと、承認された施設で行うという扱いになります。

そしてもうひとつが、低出力衝撃波治療。代表的な機器がレノーヴァです。血管性EDに対しては、例えばヨーロッパでは1番手として試してもいい、というぐらいの位置づけになっています。
ビガー2020
1陰圧式勃起補助具(ビガー2020)
陰圧でペニスに血液を引き込む方式。日本で医療機器認可を持つのはビガー2020のみです。

Dクリニックのビガー2020治療を見る
陰茎海綿体注射のイメージ
2陰茎海綿体注射(プロスタグランジンE1)
強力な血管拡張薬を直接注射する方法。世界的には標準的だが、日本では倫理委員会承認施設での実施に限られる

Dクリニックの陰茎海綿体注射治療を見る
レノーヴァ
3低出力衝撃波治療(レノーヴァ)
衝撃波をペニスに当てて血管そのものを再生させる治療。ヨーロッパでは1番手として位置づけ

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参考文献・出典