梅毒の初期症状はどこに出る?感染経路は?治るまでの流れ
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このコラムのポイント
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梅毒の初期症状は、菌が入った場所にできる痛みの少ないしこりとただれ
症状は放っておいても消えるが、治ったわけではない
治ったかどうかは、治療後の血液検査の数値の下がり方で確かめる
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が性的接触でうつる性感染症です。初期症状は菌が入った場所に出て、性器や肛門、口のなかに痛みの少ないしこりやただれができます。このしこりやただれは治療しなくても消えますが、治ったわけではなく、体のなかでは病気が進んでいます(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
梅毒は、抗菌薬で治療すれば治る病気です。この記事では、初期症状が出る場所と潜伏期間、放置したときの進み方、感染経路、検査の受け方、治療法と治療費、治ったかどうかの確かめ方を紹介します。

梅毒の初期症状は、菌が入った場所にできる痛みの少ないしこりとただれ
最初に出るのは、菌が入った場所にできる硬いしこりやただれです。大きさは小豆から指先くらいで、出る場所は心当たりの行為によって変わります(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
- 性器亀頭、陰茎、包皮の内側、陰嚢など
- 肛門・直腸アナルセックスで感染した場合
- 口のなか・唇・のどオーラルセックスで感染した場合
しこりもただれも痛みが少なく、股のつけ根のリンパ節がはれることもあります。国立健康危機管理研究機構によると、こうした症状は約3〜6週間で自然に軽くなります(国立健康危機管理研究機構「梅毒(詳細版)」)。
梅毒の潜伏期間は3週間ほどで、1週間から13週間と幅がある
感染してから初期症状が出るまでは、3週間ほどです(国立健康危機管理研究機構「梅毒(詳細版)」)。東京都感染症情報センターは、潜伏期間を約1週間から13週間としています(東京都感染症情報センター「梅毒」)。
心当たりから1週間たっても何も出ていなければ、感染していないとは言えません。検査を受ける時期は、潜伏期間ではなく、血液検査で分かるようになる時期から決めます(後述)。
治療しないと梅毒は第1期から第4期まで進み、途中で症状が消える時期がある
治療しないまま放置すると、梅毒は次のように進みます。第1期のしこりも第2期の発しんも自然に消えるため、途中で治ったように見える時期があります。
| 時期 | 出る症状 |
|---|---|
| 第1期感染後3週間〜3か月 | 菌が入った場所に痛みの少ないしこりやただれ。股のつけ根のリンパ節のはれ |
| 第2期感染後3か月〜3年 | 手のひら・足のうら・体に広がる発しん(バラ疹)、発熱、だるさ。治療しなくても約1か月で消える |
| 第3期感染後3〜10年 | 皮膚や筋肉、骨にゴムのような腫瘍ができる |
| 第4期感染後10年以降 | 脳・脊髄・神経がおかされる |
※出典:東京都感染症情報センター「梅毒」
※第3期・第4期まで進むことは、現在ではまれです
症状が出ないまま長く過ごす「無症候性梅毒」の人もいます(東京都感染症情報センター「梅毒」)。症状がないことは、感染していないことの証明になりません。
梅毒はいま流行していて、キスやオーラルセックスでも感染する
東京都は2026年8月、公式Xで梅毒の流行を呼びかけています。
【梅毒が流行っています】
— 東京都 (@tocho_koho) 2026年8月28日
☑キスやオーラルセックスでも感染
☑症状が出ないことも
☑何度でも感染する
💡早期発見・早期治療が大切!
梅毒をはじめとする性感染症の正しい知識を身につけ、感染拡大を防ぎましょう。
性感染症の症状や検査の予約は「東京都性感染症ナビ」
梅毒は、しこりやただれなどの病変に、粘膜や皮膚が直接触れることで感染します。性器と性器のほか、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口(オーラルセックス)の接触でもうつります(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
国立健康危機管理研究機構によると、第1期と第2期がもっとも感染力の強い時期です(国立健康危機管理研究機構「梅毒(詳細版)」)。この時期の症状は痛みが少なく、相手が気づいていないこともあります。「相手に症状はなかった」「挿入はしていない」は、感染していない根拠になりません。
コンドームを正しく使えば感染の危険は下がりますが、コンドームで覆われていない部分から感染することもあります(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
梅毒の検査は採血で、感染から約6週間たつと陽性になる
梅毒は、血液中の2種類の抗体を測って調べます。
| 検査 | 分かること |
|---|---|
| RPR法 | 今の病気の勢いを示す。治療が効くと値が下がるので、治ったかどうかの判定に使う |
| TP抗体検査TPHA法など | 梅毒に感染したことがあるか。治ったあとも陽性のまま残る |
第1期の最初の数週間は、抗体検査では陽性になりません。感染から約6週間を超えるとRPRの値が上がり、次にTP抗体の値が上がります(東京都感染症情報センター「梅毒」)。心当たりから日が浅いうちに受けた陰性は、確定的な結果ではありません。しこりやただれが出ていれば、その時点で受診できます。
保健所では、梅毒の検査を匿名・無料で受けられます(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。医療機関では、症状があれば保険診療、症状がなく確認のために受けるなら自費です。
※Dクリニックでは性病検査は行っていません
梅毒の治療は、注射なら1回、飲み薬なら4週間が基本
梅毒にはペニシリン系の抗菌薬が効きます。日本では飲み薬による治療が一般的でしたが、2021年に世界の標準治療薬である注射薬(ベンジルペニシリンベンザチン)が承認され、注射でも治療できるようになりました(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 注射ステルイズ | 早期梅毒は、お尻の筋肉に1回注射する。感染から1年以上たった後期梅毒は、週1回ずつ計3回注射する |
| 飲み薬アモキシシリン | 1回500mgを1日3回、4週間飲み続ける |
| 点滴 | 脳や神経まで広がった神経梅毒の場合 |
※出典:日本性感染症学会「梅毒診療ガイド(第2版)」/ステルイズ水性懸濁筋注240万単位シリンジ 添付文書・薬価/厚生労働省「梅毒に関するQ&A」
※ペニシリンにアレルギーがある場合は、別の抗菌薬を使います
注射は1回で終わるため、飲み忘れの心配がありません。飲み薬の場合は、症状がよくなっても医師の許可が出るまで飲み続けます(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。どちらにするかは、病期や持病、アレルギーの有無を見て医師が決めます。
梅毒の治療は保険が使え、早期梅毒なら薬代の自己負担は数百円から3,000円ほど
症状があって医療機関で梅毒と診断されれば、治療には健康保険が使えます。薬代の自己負担(3割)は、薬の公定価格(薬価)から計算すると次のとおりです。
| 治療法 | 薬代の自己負担(3割) |
|---|---|
| 注射1回早期梅毒 | 約3,000円 |
| 注射3回後期梅毒 | 約9,000円 |
| 飲み薬4週間アモキシシリン1日1,500mg | 約800円 |
※ステルイズ240万単位の薬価10,025円、アモキシシリン250mgカプセルの薬価15.3円(ステルイズ水性懸濁筋注240万単位シリンジ 添付文書・薬価/サワシリンカプセル250 薬価)から計算した薬代のみの金額です
※実際には、診察料・検査料・処方料などが別にかかります
※治療後の効果判定の血液検査も、通院のたびに費用がかかります
治療中は性行為を控え、パートナーにも検査を受けてもらう
治療を始めたら、次の3つに気をつけます。
- 医師が安全と判断するまで性行為を控える治療が終わるまでは、相手に移す可能性があります(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)
- パートナーにも検査を受けてもらう自分だけ治しても、相手が感染していればまた移ります(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)
- 治療の始めに発熱することがあるヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応と呼ばれ、注射の数時間後や飲み始めのころに熱が出ます。1〜2日でおさまります(日本性感染症学会「梅毒診療ガイド(第2版)」)
日本性感染症学会は、飲み薬の場合、飲み始めて8日目ごろから薬疹(薬による発しん)が出ることがあるとしています(日本性感染症学会「梅毒診療ガイド(第2版)」)。発熱や発しんが出たときに薬を続けるかどうかは、処方した医師が判断します。
梅毒が治ったかどうかは、RPRの値が下がったかで確かめる
梅毒は、薬を飲み終えたら終わりではありません。治療を始めてからおおむね4週ごとに血液検査を受け、RPRの値が下がっているかを確かめます(日本性感染症学会「梅毒診療ガイド(第2版)」)。
国立健康危機管理研究機構は、RPRの値が治療前の4分の1以下(自動化法という測り方では2分の1以下)に下がることを目安にしています(国立健康危機管理研究機構「梅毒(詳細版)」)。経過が順調でも、3か月後と6か月後に再検査を受けることが勧められています(日本性感染症学会「梅毒診療ガイド(第2版)」)。
TP抗体は治ったあとも陽性のまま残るため、「TP抗体が陽性=まだ治っていない」ではありません。見るのはRPRの値の動きです。
一度治っても、梅毒にはまた感染する
梅毒が治っても、免疫ができて二度とかからなくなるわけではありません。コンドームを使わない性行為などで、再び感染します(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
治療が終わってから新しくしこりや発しんが出た、パートナーが陽性と分かったという場合は、もう一度検査を受けます。
妊娠中に梅毒に感染すると、胎児に先天梅毒が起きることがある
妊娠している人が梅毒にかかると、胎盤を通して胎児に感染し、流産や死産、先天梅毒の原因になります。妊娠中に治療すれば、母子感染の危険を下げられます(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
梅毒と診断されると医師が保健所に届け出るが、勤務先には伝わらない
梅毒は、診断した医師が7日以内に保健所へ届け出る決まりになっています(東京都感染症情報センター「梅毒」)。届出先は保健所で、勤務先や家族に通知が行くことはありません。
健康保険組合に受診の記録を残したくない場合は、保険証を使わずに自費で受ける方法があります。
梅毒についてよく聞かれること
梅毒は市販薬で治せますか
治せません。梅毒の治療に使う抗菌薬は、医師の処方が必要な医療用医薬品です。
放置するとどうなりますか
数年から数十年のあいだに、心臓や血管、脳など複数の臓器に病気が起こり、死に至ることもあります(厚生労働省「梅毒に関するQ&A」)。
まとめ
- 初期症状は菌が入った場所にできる痛みの少ないしこりとただれ。治療しなくても消えるが、治ってはいない
- 潜伏期間は3週間ほど。検査で陽性になるのは感染から約6週間を超えてから
- 治療は注射なら1回(後期は週1回×3回)、飲み薬なら4週間。保険診療なら早期梅毒の薬代の自己負担は数百円から3,000円ほど
- 治ったかどうかは、4週ごとの血液検査でRPRの値が下がったかで確かめる
- 治ってもまた感染する。パートナーも検査を受ける








