ED(勃起不全)を改善する方法とは 〜原因と5つの治し方について〜
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このコラムのポイント
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改善法は食事・運動・睡眠の改善や禁煙。医療的には、ED治療薬(バイアグラなど)や低衝撃波治療(レノーヴァ)が効果的。
EDは勃起不全を指し、心因性・器質性・混合性・薬剤性の4つに分類。年齢・生活習慣・ストレスなどが影響する。
治療の流れは、まずED治療薬を試し、効果がない場合は機械治療や注射を検討。適切な治療で改善するため、専門医への相談が重要。
ED(勃起不全)ってどういう状態のこと?
EDはErectile Dysfunctionの略で、勃起不全や勃起障害、インポテンスとも呼ばれます。
性行為のときに十分に勃起しない、勃起しても持続しない、中折れしてしまうなどのケースは全てEDです。EDは「満足のいく性行為ができるだけの勃起が得られているか」が重要な判断材料となります。

勃起するためには、下記の3つのステップが必要です。
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性的刺激を受ける
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性的刺激が神経を通じて伝達される
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血液が陰茎に流入する
これらのどれか一つでも欠けているとEDになってしまいます。なお、EDには主に4つの原因があり、それぞれ適した対処法が異なります。まずはEDがなぜ起こっているのかを確認しましょう。
EDには4つの原因がある
1.心の問題〜心因性ED〜
心因性EDとは、主に精神的なストレスが原因で生じるEDです。仕事で起こったトラブルやパートナーとの関係性など、あらゆるストレスによって脳内の神経伝達物質が減少してしまいます。その結果、情報の伝達に支障をきたし、性的刺激をうまく陰茎に伝えられなくなるのです。
マスターベーションは行える、朝勃ちはするけれどセックスはできないといった場合は、心因性EDの可能性が高いでしょう。なお、心因性EDは20代〜40代に多いといわれています。
2.体の問題〜器質性ED〜
リスク要因 | 影響・解説 |
---|---|
🔴 脂質異常 | 血管壁に脂質が蓄積し、動脈硬化を促進。血流が阻害され、陰茎への十分な血液供給が妨げられます。 |
🔴 高血圧 | 持続的な高血圧は血管壁を損傷し、弾力性を失わせます。これにより、勃起に必要な血流の増加が制限されます。 |
🔴 糖尿病 | 血管や神経に広範囲な損傷を引き起こし、勃起機能に必要な神経信号や血流を阻害します。糖尿病患者のED発症率は非常に高いことが知られています。 |
🚬 喫煙 | 血管収縮を引き起こし、血液循環を悪化させます。長期喫煙者はEDのリスクが非喫煙者に比べて約2倍高くなります。 |
🍺 過度の飲酒 | 一時的な勃起不全の原因となるだけでなく、長期的な過剰摂取は肝臓機能に影響し、テストステロン代謝が乱れてEDを引き起こします。 |
器質性EDとは、体の問題によって起こるEDです。具体的には動脈硬化などが原因で血管が硬くなり、血流が悪くなることで十分な血液が陰茎に流れ込まなくなって起こります。
また、糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病をお持ちの方は、血管に大きな負担がかかるため動脈硬化を起こしやすく、EDになる可能性が高くなるのです。さらに、喫煙・過度の飲酒なども器質性EDの原因となります。
他にも、脳出血・脳外傷・脳腫瘍・パーキンソン病・アルツハイマー病・脊髄損傷などの神経が傷害される病気や一部の泌尿器科系の病気、陰茎海綿体の血管・神経を損傷するような手術や外傷などによってもEDが引き起こされることがあります。
これらの器質性EDは、体の衰えが目立ち始める50代に多いです。
3.心と体の問題〜混合性ED〜
心因性EDと器質性EDの両方が原因で起こるのが混合性EDです。例えば、動脈硬化などが原因で器質性EDを発症し、パートナーから「情けないな〜」などの言葉をかけられ、それがトラウマとなり心因性EDを発症することがあります。
このように器質性EDと心因性EDを同時に発症しているケースが混合性EDです。複数の要因が混在して発症するEDのため、原因の特定が難しく改善にも時間がかかってしまいます。なお、混在性EDを発症するのは50代〜60代男性が多いです。
4.薬の影響〜薬剤性ED〜
精神・神経系薬剤 | 循環器・筋肉系薬剤 | ホルモン・その他 |
---|---|---|
💊 精神安定剤 💊 抗うつ薬 💊 抗けいれん薬 💊 睡眠薬 💊 向精神薬 |
💊 利尿剤 💊 血管拡張剤 💊 降圧剤 💊 鎮けい薬 💊 筋弛緩薬 |
💊 男性ホルモン抑制剤 💊 解熱薬 💊 麻酔薬 💊 抗がん剤 |
上記のような薬剤を服用している場合に、副作用としてEDを発症することがあります。全ての方にEDが生じるわけではありませんが、心配な方は服用前に医師に相談してみるとよいでしょう。
EDを治すには・・・EDの5つの治し方
「EDは治るの?」「ED解消法はある?」など、EDが治るかどうか心配な方は多いでしょう。ここでは、自力でできるED対策やクリニックで受けられるED治療についてお伝えします。
1.食事はバランスよく
EDを解決する方法の一つに食生活の見直しがあります。高カロリー・高脂肪・高塩分の食事を控え、バランスよく食べるようにしましょう。ED改善のために特に取り入れたい栄養素や食材は下記の通りです。
亜鉛
- 牡蠣
- ごま
- アーモンド
- など
アルギニン
- えび
- まぐろ
- 牛豚のひき肉
- など
ビタミンE
- アボカド
- うなぎ
- いわし
- など
シトルリン
- きゅうり
- ゴーヤ
- スイカ
- など
アリシン
- ニンニク
- ニラ
- 玉ねぎ
- など
タウリン
- カツオ
- たこ
- サンマ
- など
ムチン
- 山芋
- 納豆
- オクラ
- など
これらの食材を毎日摂取するのは難しいため、足りない栄養素はサプリメントで補うのもよいでしょう。
2.筋トレ・運動をする
EDにならないためには、日頃からトレーニングを取り入れることも重要です。
男性ホルモンの低下や肥満はEDの原因となりますが、適度な運動は男性ホルモンの分泌を促し、肥満を防ぐため、ED予防に効果が見込まれます。また、股関節のストレッチを取り入れれば、陰茎周辺の血流をよくすることができるため、勃起力の向上が期待できます。
3.日常生活(睡眠・禁煙・ストレス解消)を見直す
日常生活を見直すこともED改善には効果的です。
生活習慣 | EDへの影響 | 改善ポイント |
---|---|---|
😴 睡眠 | 睡眠時間が短いと体を十分に休めることができず、男性ホルモンの分泌量も減少してEDのリスクが高まります。 | 7〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。就寝前のスマートフォン使用を控え、規則正しい睡眠習慣を作りましょう。 |
🚭 喫煙 | 喫煙によって血管が収縮し、血流が悪くなることで勃起しにくくなります。長期喫煙者はEDのリスクが約2倍に。 | 禁煙することで血管の健康を取り戻し、ED症状の改善が期待できます。禁煙補助薬や専門家のサポートを活用しましょう。 |
😌 ストレス | 精神的なストレスは神経系に影響を与え、心因性EDを引き起こします。過度の緊張やプレッシャーも勃起機能を低下させます。 | 適度な運動、瞑想、趣味などでストレス発散を。パートナーとのコミュニケーションを大切にし、必要に応じて専門家に相談しましょう。 |
EDはストレスだけでなく、睡眠時間や喫煙習慣によっても引き起こされるため、ED改善のためには日常生活を見直すことが重要です。
4.ED治療薬を服用する
ED改善のためには、医療の力を頼るのも一つの方法です。ED治療薬は性行為前に服用することで勃起のサポートをするため、満足のいく性行為を行うことができます。
主なED治療薬については次項でご説明いたします。見込まれるED治療薬の服用や、器質性EDの原因にアプローチする衝撃波によるED治療を併用するとよいでしょう。
5.衝撃波による治療を受ける
クリニックで受けられるED治療には、ED治療薬の他に低衝撃波治療があります。低衝撃波治療はED治療薬と異なり、器質性EDの原因に直接アプローチする方法です。
そのため、一時的な治療効果を求めるのではなく、EDの原因から改善していきたい方におすすめの治療といえます。
EDを克服!主なED治療薬の種類について
項目 | バイアグラ | レビトラ | シアリス | エレマックス |
---|---|---|---|---|
外観 | ![]() |
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特徴 | 世界初のED治療薬 高い知名度と信頼性 |
即効性があり 勃起の硬さに優れている |
世界シェアNo.1 緩やかで長時間効果 |
Dクリニックオリジナル 毎日服用タイプ |
有効成分 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル | タダラフィル(低用量) +トンカットアリ |
効果発現 | 約60分 | 約20〜30分(空腹時) | 約60〜120分 | 継続服用による効果 |
効果持続 | 4〜5時間 | 5〜6時間 | 20〜24時間 | 毎日服用で常時効果 |
食事の影響 | 影響を受けやすい 食前30分前が推奨 |
700kcal以下なら 影響が少ない |
影響を受けにくい | 影響なし 毎日決まった時間に服用 |
使用方法 | 性行為の1時間前に服用 | 性行為の1時間前に服用 | 性行為の2〜3時間前に服用 | 毎日1カプセルを服用 |
特記事項 | 即効性重視の方に おすすめ |
国内では製造中止 ジェネリック品あり |
計画的な性生活に おすすめ |
血管の若返り効果 テストステロン向上 |
詳細 |
レビトラ

レビトラは即効性があり硬さが出やすいのが特徴のED治療薬です。空腹時には服用後20分ほどで効果を感じるといわれています。また、食事の影響を受けにくいといわれているため、状況に応じて使いやすいED治療薬といえるでしょう。
なお、効果の持続時間は10mgの錠剤で5〜6時間となります。現在は製造が中止されており、国内では処方している医療機関はありません。
シアリス

シアリスは2013年に世界シェアNo.1になるほど、多くの方に支持されているED治療薬です。緩やかな効果が長期間続くことが特徴で、10mgの錠剤で20〜24時間ほど効果が持続するといわれています。
食事の影響を受けにくいのも選ばれている理由の一つです。性行為の2〜3時間前に服用する必要はありますが、効果が長く続くためいつ服用するか考えたり焦ったりする必要がなく、不要なプレッシャーがかからないのも魅力といえます。
低衝撃波によるED治療「レノーヴァ」とは

レノーヴァは低衝撃波によるED治療です。レノーヴァを男性器に照射することで血管が新生され、血液が多く流れ込むようになります。その結果、EDが解消されるのです。
レノーヴァは世界70ヶ国以上1,000万人以上の治療実績があり、ED治療薬のような一時的な治療ではなく、長期的な治療ができるとして人気が高まっています。また、副作用がほとんどないのもレノーヴァの特徴です。
勃起不全・ED治療の基本的な流れ
勃起不全・ED治療では、患者様のご希望によって治療薬の服用か機械による治療をご選択いただきますが、基本的には①薬剤②機械による治療という流れになります。
①ED治療薬の服用
勃起不全・ED治療を希望される場合、まずは薬剤での治療を行うことが多いです。当院では「バイアグラ」「レビトラ(ジェネリック)」「シアリス」の3種類のED治療薬をご用意しておりますので、患者様のご要望に合わせて処方させていただきます。
②機械による治療
ED治療薬を服用できない方や、ED治療薬では効果がなかった方には、機械による治療をおすすめさせていただきます。機械には「陰圧式勃起補助具」と「レノーヴァ」があり、それぞれ異なるアプローチをします。
<陰圧式勃起補助具>

陰圧式勃起補助具はペニスポンプとも呼ばれており、勃起状態を維持するのに使われます。筒の中に陰茎を挿入して付属ポンプで中を真空状態にし、陰茎海綿体に強制的に血液を送り込むことで勃起させます。
陰茎の根本にゴムリングをつけることで、勃起状態を維持できるのです。使用時間は15〜30分程度となり、長時間の使用には向きません。好きなタイミングで使用できる、使い方が簡単といったメリットがありますが、勃起させるのに時間がかかったり、操作時に痛みを感じたりすることがあります。
陰圧式勃起補助具の
詳細を見る
<レノーヴァ>

レノーヴァはクリニックで受けられるED治療です。低衝撃波によって陰茎の血管を新生し、血液を多く陰茎に流し込むことでEDを改善します。EDの原因にアプローチできること、一時的な効果ではないことなどがメリットです。
ED治療薬を使用できない・効果がなかった方や、陰圧式勃起補助具を性行為のたびに使うのに抵抗がある方におすすめの治療方法といえます。
レノーヴァの
詳細を見る
ED(勃起不全)にお悩みの方はDクリニックまでご相談ください
EDは大変デリケートな問題のため、なかなか人には相談しづらく、一人で抱え込んでいる方が多いでしょう。しかし、実際にはEDにお悩みの男性は多く、決して恥ずかしいことではありません。
EDは原因を見極め適切な治療を行えば改善できる症状のため、まずは一度当院までご相談ください。患者様のEDの原因やご希望に合わせた治療のご提案をさせていただきます。