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男性の陰部がかゆいのはなぜ?部位別の原因と対処法、受診の目安を解説

このコラムのポイント

  • 男性の陰部のかゆみで多いのは、股の付け根のいんきんたむし(股部白癬)、亀頭包皮炎、陰嚢湿疹

  • 部位や症状で原因の見当がつく。白いカスはカンジダ、輪状に広がるなら白癬など

  • 市販薬の自己判断には注意。長引く・膿・ただれは泌尿器科や皮膚科へ

男性の陰部がかゆいとき、多い原因は陰嚢湿疹、亀頭包皮炎、股の付け根のいんきんたむし(股部白癬)です。いずれも汗や蒸れ、こすれが背景になりやすく、デリケートな部位のため一度かゆくなると悪化しがちです。

原因によって必要な薬がまったく違い、カビが原因なのに湿疹用の薬を塗ると悪化することもあります。この記事では、部位や症状から原因を見分けるポイントと、対処法、受診の目安まで、ひとつずつ確認していきます。

※玉袋(陰嚢)そのもののかゆみやぶつぶつは、金玉がかゆいでくわしく解説しています。

男性の陰部がかゆい主な原因は、陰嚢湿疹・亀頭包皮炎・いんきんたむし(股部白癬)

陰部のかゆみには、いくつかの原因があります。代表的な原因は次の8つです。

原因特徴
陰嚢湿疹玉袋(陰嚢)の湿疹。汗・蒸れ・摩擦で起こり、かくと悪化する
接触皮膚炎(かぶれ)下着・洗剤・石けんが合わずに起こる。新しい製品に変えた直後に多い
亀頭包皮炎亀頭や包皮の炎症。カンジダや細菌が原因で、赤み・かゆみ・白いカスをともなう
いんきんたむし(股部白癬)カビ(白癬菌)が原因。股の付け根から輪のように広がり、ふちが赤く盛り上がる。じめじめした環境で増える
毛じらみ・疥癬虫やダニが原因。疥癬は夜に強くかゆく、家族も同時にかゆがる
乾燥冬場など乾燥でかゆくなることもある
性感染症ヘルペスは水ぶくれと痛みをともなうことが多い。尖圭コンジローマはイボができるが、痛みやかゆみはともなわないことが多い

部位や症状で見分けるかゆみの原因は?

かゆい場所や見た目から、原因の見当をつけられることがあります。

  • 股の付け根(太ももとの境目)が輪状にかゆい … いんきんたむし(股部白癬)の可能性
  • 亀頭や包皮が赤くかゆく、白いカスが出る … 亀頭包皮炎(カンジダなど)の可能性
  • 玉袋(陰嚢)がかゆく、カサカサ・黒ずむ … 陰嚢湿疹の可能性
  • 白いブツブツや水ぶくれ、痛みがある … 感染症の可能性があり受診を

※「陰部に白いカス」はカンジダ、「輪状に広がる」は白癬、というように、見た目が手がかりになります。ただし自己判断が難しいことも多いです。

陰部のかゆいブツブツ・できものの正体は?

かゆみに白い・赤いブツブツやできものをともなうこともあります。代表的なものを挙げます。

見た目考えられるもの
赤い小さなブツブツ・膿毛包炎(毛穴の炎症)。自己処理やムレ、こすれで起こりやすい
白いカス・赤み・かゆみカンジダ(亀頭包皮炎)。ふやけをともなうことがある
亀頭のふちに並ぶ白い粒(痛みなし)真珠様陰茎小丘疹やフォアダイス。生理的なもので無害なことが多い
イボ状のできもの尖圭コンジローマ(性感染症)の可能性
中央がへこんだ小さな水いぼ伝染性軟属腫の可能性
水ぶくれ・強い痛みヘルペスなどの性感染症の可能性

※「虫刺されのよう」「赤いブツブツ」がかゆい場合は、毛包炎やかぶれ、疥癬などが考えられます。痛み・水ぶくれ・イボをともなうものは感染症の可能性があり、自己判断せず受診してください。

亀頭包皮炎は自然に治る?

ごく軽い亀頭包皮炎は、清潔な状態や通気性の良い状態を保つだけで落ち着くこともあります。包皮を剥いてやさしく洗い、よく乾かすことで改善する軽症例もあります。ただし、カンジダや細菌の感染がはっきりある場合は、洗うだけでは治りにくく、抗真菌薬や抗菌薬による治療が必要になります。赤みや腫れが強い、白いカスが多い、繰り返すといったときは感染が進んでいることがあります。数日のセルフケアで良くならないときは皮膚科を受診してください。

夜にかゆい・乾燥でかゆいときは?

夜、布団に入ると陰部が強くかゆくなる場合、体が温まって血流が増すことでかゆみが出ている場合や、疥癬(ヒゼンダニ)が原因の場合があります。疥癬は夜間にかゆみが強くなり、家族など身近な人も同時にかゆがるのが特徴です。チクチク・ムズムズするかゆみが続くときは皮膚科で確認してください。

また、冬場や、洗いすぎ・ボディソープの使いすぎで皮膚が乾燥してかゆくなることもあります。この場合は、こすり洗いをやめ、入浴後に低刺激の保湿剤を薄く塗ると落ち着くことがあります。かきすぎてしまうと悪化するため、かゆいときは冷やしてしのぐのも一つの方法です。

陰部がかゆいときどうしたらいい?対処と市販薬の注意点

陰部のかゆみへの対処は、清潔と乾燥を保ち、かかないことが基本です。

  • 洗浄力の強いボディソープは避け、弱酸性で低刺激のデリケートゾーン用ソープをよく泡立て、こすらずやさしく洗う(1日1回程度に)
  • 洗ったあとは水気を拭き、乾かしてから下着をはく
  • 通気性のよい下着にし、汗をかいたら着替える
  • かゆくてもかかない。かくと悪化し、長引く
  • 乾燥でかゆいときは、入浴後に低刺激の保湿剤を薄く塗る(じゅくじゅく・ただれている場合は塗らない)

市販薬は原因によって使い分ける必要があります。間違えると悪化します。

湿疹やかぶれには炎症を抑える塗り薬(ステロイドなど)、いんきんたむしやカンジダには抗真菌薬と、必要な薬が逆になります。カビが原因なのにステロイドだけを塗ると、かえって広がることがあります。見分けがつかないまま市販薬を続けるより、受診で原因を確かめたほうが安全です。

洗浄料や洗い方を見直すことも予防につながる

汗・蒸れ・摩擦・こすれはいんきんたむしや陰嚢湿疹、亀頭包皮炎いずれの背景にもなりやすいため、日々の洗浄料や洗い方を見直すことも予防に役立ちます。

①専用の洗浄料を選ぶ

デリケートゾーンの皮膚は薄いため、洗浄力の強い石けんやボディソープでは皮脂を落としすぎて乾燥・かゆみを招くことがあります。低刺激・弱酸性のデリケートゾーン専用洗浄料が向いています。汗や皮脂によるニオイが気になる場合は、炭・泥系の成分が入った洗浄料を選ぶのもひとつの方法です。

②こすらず、泡でやさしく洗う

摩擦や黒ずみは湿疹を悪化させる要因のひとつです。こすらず、泡で包み込むように洗うことを意識すると摩擦や黒ずみを抑えられます。最近は、きめ細かい炭酸泡が出てくるタイプの洗浄料もあり、マッサージするように洗うことで血行を促しながら蒸れやすい男性の陰部まわりをすっきり保ちやすくなります。手洗いで落ちにくい部分の汚れがきになる場合は、音波振動・イオン・温感機能を備えた防水対応のデリケートゾーン専用洗浄デバイスを使う方法もあります。

③保湿・乾燥までセットで

複数種のアミノ酸など保湿成分がセットで配合されている洗浄料でうるおいを補い、洗浄後はしっかり乾かしてから下着をはくこと。「洗浄・保湿、乾燥」の3点は、いんきんたむしや亀頭包皮炎の予防にも共通して役立ちます。

④外出先でのケアも

汗をかいたときは、外出先でも使える拭き取りシートやミスト、パウダースプレーで手軽にケアすると、1日を通して清潔な状態や通気性の良い状態を保ちやすくなります。

いずれの場合も、洗浄・保湿は予防や日々のケアの土台であり、原因治療の代わりにはなりません。輪のように広がる、膿みがでる、じゅくじゅくするといった症状があるときは、セルフケアに頼らず皮膚科を受診してください。

こんなときは泌尿器科・皮膚科へ

次のような場合は、自己判断で市販薬を続けず受診してください。亀頭や包皮の症状は泌尿器科、皮膚の症状は皮膚科が専門です。

  • 2週間ほど対処しても良くならない、繰り返す
  • 輪のように広がる、ふちが盛り上がっている
  • 膿が出る、ただれる、強い腫れがある
  • 白いブツブツや水ぶくれ、イボがある(感染症の疑い)
  • 性交渉のあとに症状が出た

まとめ

男性の陰部のかゆみで多いのは、陰嚢湿疹、亀頭包皮炎、股の付け根のいんきんたむし(股部白癬)です。股の付け根が輪状にかゆい、亀頭に白いカスが出る、玉袋がカサカサするなど、部位や症状で原因の見当がつきます。

日々のケアの土台は、洗いすぎず、しっかり保湿して、かかないこと。これがそのまま再発予防にもつながります。あわせて、日々の洗浄をデリケートゾーンに適した低刺激・弱酸性の専用ソープに見直すのも有効です。とはいえカビが原因だとステロイドで悪化することもあるので、見分けがつかない・長引く・膿やただれがあるといったときは、泌尿器科や皮膚科で原因を確かめてください。

参考文献