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金玉がかゆいのはなぜ?原因の見分け方と対処法、受診の目安を解説

このコラムのポイント

  • 金玉(陰嚢)のかゆみで最も多いのは、汗や蒸れ・摩擦による「陰嚢湿疹」

  • ほかに、いんきんたむし(白癬)、カンジダ、疥癬(ダニ)、ヘルペスが背景のこともある。原因で薬が違うので自己判断の市販薬に注意

  • 2週間以上続く、ぶつぶつや輪状に広がる、じゅくじゅくする場合は皮膚科へ

金玉(陰嚢)がかゆいとき、最も多い原因は汗や蒸れ、摩擦による「陰嚢湿疹(いんのうしっしん)」です。デリケートな部位で皮膚が薄く汗をかきやすいため、かゆみが起きやすく、かくとさらに悪化します。

ただし、いんきんたむし(白癬)やカンジダ、疥癬(ダニ)、ヘルペスが背景のこともあり、原因によって使う薬がまったく違います。間違った市販薬で悪化することもあります。この記事では、玉袋(陰嚢)のかゆみを中心に、原因の見分け方と対処法、そして受診の目安をまとめます。

※陰茎・亀頭や股の付け根など、玉袋以外の部位のかゆみは、男性の陰部がかゆいでくわしく解説しています。

金玉がかゆい原因で最も多いのは陰嚢湿疹

陰嚢湿疹は、陰嚢の皮膚に炎症が起きてかゆくなる状態です。陰嚢は汗で蒸れやすいうえ、下着でこすれやすいため、湿疹が起こりやすい部位です。かゆくてかいてしまうと、皮膚が傷ついてさらにかゆくなる「かゆみの悪循環」に陥り、慢性化することがあります。皮膚が乾燥してカサカサしたり、黒ずんでしまうこともあります。

陰嚢湿疹そのものは性感染症ではなく、人にうつるものでもありません。まずは清潔と乾燥を保ち、かかないことが基本になります。

陰嚢湿疹以外に考えられる原因は?

かゆみの原因は陰嚢湿疹だけではありません。見た目や特徴から、原因の見当をつけられます。

原因見た目特徴対処法
接触皮膚炎(かぶれ)触れた範囲の赤み下着・洗剤のかぶれ合わない物を避ける
乾燥(皮脂欠乏)カサカサ・粉ふき洗いすぎ・冬・加齢保湿。洗いすぎない
いんきんたむし(白癬)輪状に広がる赤み、ふちが盛り上がるカビが原因抗真菌薬。ステロイドは使わない
カンジダ赤み・白いカスカビの一種抗真菌薬。長引けば受診
疥癬(かいせん)小さな赤いぶつぶつダニが原因。夜かゆい皮膚科で治療。家族も一緒に
ヘルペス小さな水ぶくれ(水疱)が数個~多数できる
赤みを伴うことが多い
性的接触でうつる皮膚科で治療
毛じらみ陰毛の根元に虫・卵性的接触でうつる専用の駆除薬。剃毛も

※金玉のかゆみは「カビのせい」と思われがちですが、いんきんたむしやカンジダなどカビ(真菌)が原因のこともあれば、湿疹のように真菌が関係しないこともあります。

金玉の裏や玉袋がかゆいのはなぜ?

「金玉の裏」や玉袋(陰嚢)の付け根が特にかゆいのは、その部分が太ももと密着して汗がたまり、最も蒸れやすいためです。汗と熱がこもると、皮膚がふやけて皮膚のバリア機能が低下します。低下することによって、皮膚の常在菌や真菌(カビ)のバランスが崩れやすくなり、陰嚢湿疹やいんきんたむし(白癬)、カンジダが起こりやすくなります。バリア機能が低下することで、摩擦などの影響を受けやすくなり、下着でこすれることも刺激になります。

裏側はムレと汗が大きな原因なので、対策は洗ったあとによく乾かす・通気のよい下着にする・汗をかいたら着替えることが基本です。それでも輪のように広がる、白いカスが出るといった場合は、湿疹ではなくカビの可能性があるため皮膚科で確認してください。

金玉のかゆいぶつぶつ・できものの正体は?

かゆみにぶつぶつやできものをともなう場合、原因はさまざまです。代表的なものを挙げてみます。

見た目考えられるもの
赤い小さなぶつぶつ・膿毛包炎(毛穴の炎症)。自己処理やムレで起こりやすい
白い小さな粒(痛みなし)フォアダイス(皮脂腺)など。陰嚢によくでき、体質的で無害なことが多い
コリッとしたしこり粉瘤(皮膚の良性のできもの)など
夜に強くかゆい小さなぶつぶつ疥癬(ヒゼンダニ)。家族など身近な人も同時にかゆがる

※痛みのないしこりが陰嚢の中(玉そのもの)にある場合は、皮膚のぶつぶつとは別に精巣の病気の可能性もあるため、泌尿器科で診てもらってください。水ぶくれやイボなど、性感染症が疑われるできものについては後半の「性病やがんのサイン?」も参考にしてください。

金玉のかゆみは性病やがんのサイン?

「玉袋のかゆみは性病では」と心配する人もいますが、陰嚢のかゆみの多くは湿疹やカビによるもので、性感染症が原因のことは多くありません。ヘルペスなどの性感染症では、かゆみよりも痛みや水ぶくれが目立つことが一般的です。心当たりがある場合は、検査を受けてはっきりさせておくとよいでしょう。

また、精巣(睾丸)のがんは、かゆみではなく「痛みのないしこり」や「腫れ」として現れるのが典型です。かゆみそのものががんのサインであることは多くありませんが、しこりや左右差に気づいたら泌尿器科を受診してください。

金玉がかゆいときの対処法と市販薬の注意点は?

まず自分でできる対処は、清潔な状態や通気性のよい状態を保つことです。

  • 入浴時は強くこすらず、石けんをよく泡立ててやさしく洗い、しっかりすすぐ
  • 洗ったあとは水気をよく拭き取り、乾かす
  • 通気性のよい下着(綿など)を選び、汗をかいたら着替える
  • かゆくてもかかない。冷やすとかゆみがやわらぐことがある
  • 乾燥でかゆいときは、入浴後に低刺激の保湿剤を薄く塗る(じゅくじゅくしている場合は塗らない)

原因に合わない市販薬は、かえって悪化させることがあります。

湿疹やかぶれには炎症を抑える塗り薬(ステロイドなど)、いんきんたむしやカンジダには抗真菌薬と、必要な薬が逆になります。カビが原因なのにステロイドだけを塗ると、かえって悪化することがあります。原因がはっきりしないまま市販薬を続けるより、皮膚科で原因を確かめたほうが結局は早く治ります。

「洗い方」そのものを見直すことも予防の第一歩

かゆみの背景には「汗・蒸れ・摩擦」がほぼ関わっているため、日々の洗い方や洗浄料を見直すことも予防につながります。

①専用の洗浄料を選ぶ

デリケートゾーンの皮膚は薄いため、洗浄力の強い石けんやボディソープでは皮脂を落としすぎて乾燥・かゆみを招くことがあります。低刺激・弱酸性のデリケートゾーン専用洗浄料が向いています。最初から濃密な泡状で出てくるタイプなら、泡立てる手間がなく毎日続けやすいのもポイントです。ニオイが気になる場合は、炭・泥系の成分が入った洗浄料を選ぶのもひとつの方法です。

②こすらず、泡でやさしく洗う

摩擦は、湿疹を悪化させる要因のひとつです。こすらず、泡で包み込むように洗うことを意識すると摩擦を抑えられます。最近は、きめ細かい炭酸泡が出てくるタイプの洗浄料もあり、マッサージするように洗うことで血行を促しながら蒸れやすい男性の陰部まわりをすっきり保ちやすくなります。手洗いで落ちにくい毛穴の汚れがきになる場合は、音波振動・イオン・温感機能を備えた防水対応のデリケートゾーン専用洗浄デバイスを使う方法もあります。

③保湿・乾燥までセットで

複数種のアミノ酸など保湿成分がセットで配合されている洗浄料でうるおいを補い、洗浄後はしっかり乾かしてから下着をはくこと。「洗浄・保湿、乾燥」の3点は、湿疹の予防にも共通して役立ちます。

④外出先でのケアも

汗をかいたときは、外出先でも使える拭き取りシートやミスト、パウダースプレーで手軽にケアすると、1日を通して清潔な状態や通気性の良い状態を保ちやすくなります。

いずれの場合も、洗浄・保湿は予防や日々のケアの土台であり、かゆみが強い・広がる・じゅくじゅくする場合はセルフケアに頼らず皮膚科を受診してください。

こんなときは皮膚科・泌尿器科へ

次のような場合は、自己判断で市販薬を続けず受診してください。陰嚢のかゆみは皮膚科、しこりや腫れがある場合は泌尿器科が専門です。

  • 2週間ほど対処しても良くならない、繰り返す
  • 輪のように広がる、ふちが盛り上がっている(いんきんたむしの疑い)
  • 夜に強くかゆく、家族も同時にかゆがる(疥癬の疑い)
  • 水ぶくれや、じゅくじゅくした患部に痛み・ピリピリ感を伴う(ヘルペスの疑い)
  • 陰毛の根元に虫や卵が見える(毛じらみの疑い。性的接触でうつる)
  • 痛みのないしこりや腫れがある

まとめ

金玉(陰嚢)のかゆみで最も多いのは、汗や蒸れ・摩擦による陰嚢湿疹です。ほかに、いんきんたむしやカンジダ、疥癬が背景のこともあり、原因によって必要な薬が違います。

日々のケアの基本は、洗いすぎず、しっかり保湿して、かかないこと。あわせて、洗浄料をデリケートゾーンに適した低刺激・弱酸性のものに見直し、汗をかいたときのケアもあわせて習慣化することが、再発予防にもつながります。ただしカビが原因だとステロイドでかえって悪化することがあるので、見分けがつかないときや長引くときは皮膚科で原因を確かめてください。

参考文献