どこからがLOH症候群?診断基準と専門病院での治療法を徹底解剖!

このコラムのポイント

  • LOH症候群(男性更年期障害)は男性ホルモン低下が主因で、身体面、精神面、性機能面に多様な症状が現れる。年齢に関わらず発症の可能性がある。

  • 診断には症状のチェック、セルフチェック、男性ホルモン値の測定が有効。症状に応じて内科、精神科、泌尿器科で診察を受けられるが、複合的な症状の場合は専門外来が効果的。

  • 主な治療法は男性ホルモン補充療法だが、漢方薬などもある。専門クリニックでは詳細な検査(男性力ドック)と個別化された治療が可能。早期発見・治療が重要。

LOH症候群(加齢性腺機能低下症候群・加齢男性更年期低下症候群)とも呼ばれる男性更年期障害。「やる気が出ない」「すぐに疲れる」などの不調を感じても、年齢や疲労のせいと放ってしまいがちですが、実はその不調が男性更年期障害の症状かもしれません。

気づいたら手遅れということがないように、LOH症候群の原因や症状、診断基準、専門病院での治療法などを徹底解説しますので、少しでも身体の不調を感じている方はチェックしてみてください。

1.LOH症候群の原因と主な症状

LOH症候群を発症する原因には、男性ホルモン(=テストステロン)が大きく関わっています。男性ホルモンの分泌量は20代にピークを迎え、その後加齢とともに徐々に低下していきます。それによって、心身ともにさまざまな更年期症状が現れるのが「LOH症候群(=男性更年期障害)」です。

それでは身体面・精神面・性機能面にどのような症状が起きるのか確認してみましょう。

1−1.身体面

【主な身体症状】

  • 筋肉痛・関節痛など身体の痛み
  • 筋力の低下
  • 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
  • ホットフラッシュ(通常時の発汗・ほてり・のぼせ)
  • 寝付けない、すぐに目覚めてしまう(睡眠障害)
  • 記憶力の低下
  • 疲労感
  • 肥満

男性ホルモンは身体の骨や筋力を強くする作用があるため、低下すると筋肉痛や筋力低下などの症状が起こる場合があります。また、男性ホルモン低下が肥満につながり、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)など、他の病気を引き起こす場合もあるのです。軽く捉えずに、注意が必要です。

1−2.精神面

【主な精神症状】

  • 憂鬱感がある
  • 神経過敏になっている
  • イライラする
  • 常に不安感がある
  • 集中力の低下
  • 無気力、億劫になっている

男性ホルモン低下は身体の不調だけでなく、精神面にも影響を与えます。イライラや集中力の低下、憂鬱感や無気力などの症状は「うつ病」と間違えてしまうケースもあるため、改善策を見つけられずにずっと悩んでいる人も多いようです。男性更年期障害に詳しい専門の医師に正しく診断してもらうことが重要です。

1−3.性機能面

【主な性機能症状】

  • ED(勃起不全)
  • 朝立ちの減少
  • 性欲の低下
  • 頻尿(夜中も尿意で目が覚めてしまう)

男性ホルモンの低下からEDなどの男性性機能障害が起こるケースもあります。性欲の低下や勃起が長続きしないなどの症状は年齢のせいにして諦めがちですが、男性更年期障害が原因で性機能低下が起きている場合は、適切な治療をすることで症状が改善する場合もあります。

勃起力が弱いと感じたらDクリニックのED治療

▶LOH症候群の症状に複数思い当たる方は専門病院へ

女性の更年期障害は閉経をきっかけとする女性ホルモン低下が主な原因と言われます。しかし、男性には閉経のようなサインがなく、ストレスや生活習慣に影響を受けて男性ホルモン値の低下スピードが早くなるケースも見受けられます。

30代・40代の若い世代でもLOH症候群を発症する可能性がありますが、更年期に起こる症状というイメージから発症に気づかない場合も考えられます。まだ大丈夫と油断せずに、LOH症候群の症状に複数思い当たる方は専門の病院に相談しましょう。

2.LOH症候群の診断基準

どのような診断基準で発症の可能性を判断できるのかを見てみましょう。

2-1.思い当たる症状がある

まずは症状を把握するために、自分の身体に起きている不調を書き出してみましょう。先ほど解説した症状と同じような不調があるなら、LOH症候群を発症している可能性が十分考えられます。

しかし、症状の重さは人それぞれで、思い当たる症状があってもLOH症候群とは言い切れない場合もあるでしょう。LOH症候群かどうかわからない場合は、医療機関のサイトで男性更年期のセルフチェックをしてみるのがおすすめです。

2-2.セルフチェックをしてみる

男性特有の治療に向き合う「Dクリニック東京の男性更年期」では、LOH症候群の傾向があるかどうかを診断する「男性更年期障害セルフチェック」がサイトで簡単に行えます。

2-3.男性ホルモン値を正確に調べる

病院では男性ホルモン値(遊離型テストステロン値)を測定することができ、それぞれの年代の平均値と比較した上でLOH症候群の発症の可能性を診断できます。

ちなみに平均値は以下になります。

【テストステロンの平均値】

  • 20歳代:16.8(pg/ml)
  • 30歳代:14.3(pg/ml)
  • 40歳代:13.7(pg/ml)
  • 50歳代:12.0(pg/ml)
  • 60歳代:10.3(pg/ml)
  • 70歳代:8.5(pg/ml)
※出典:岩本晃明ほか 日泌会誌95:751.2001より改変

男性ホルモン値は同じ年齢でも生活環境によって個人差があります。しかし、測定を行えば、心身に現在出ている症状を加味した上で、LOH症候群の進行度合いを診断することができ、結果、適切な治療を受けることが可能になります。

3.LOH症候群の診察はどこでできる?

LOH症候群の診察を受ける際は、症状に合わせて診療科を選ぶのがポイントです。

3-1.内科

頭痛やめまいなど、身体的な症状を感じている方は内科に相談しましょう。身体症状はわかりにくい場合もありますが、不調が長く続いているならLOH症候群の兆候とも考えられます。

LOH症候群の身体症状ではなかったとしても、不調の原因を把握するために一度病院で診察を受けましょう。

3-2.精神科・心療内科

憂鬱感やイライラなど精神的な症状の相談先には、精神科や心療内科が該当します。

不安定な精神状態が続くと睡眠障害を引き起こしてさらに症状が悪化するケースもあります。精神症状が重症化すると社会生活が送れなくなる恐れもあるため、症状がひどくなる前に適切な治療を受けることが大切です。

3-3.泌尿器科

「勃起が長続きしない」「朝立ちが少なくなった」など男性機能の異常を感じたら泌尿器科に相談しましょう。

男性機能の症状はショックも大きく、人にはなかなか相談しにくい面もあります。また、年齢のせいだから仕方ないと諦めてしまう方もいますが、深刻な状態になる前にきちんと原因を突き止めましょう。

男性更年期症状を発端として、心筋梗塞や動脈硬化など別の病気を引き起こす可能性もあります。身体に違和感を覚えたらそのまま放置せず、専門のクリニックで早めに診察を受けることおすすめします。

3-4.専門病院

さまざまな症状があり、どの診療科に行けばいいのかわからない場合は男性更年期外来のある専門病院に相談しましょう。専門病院では治療実績の多い専門の医師の診察や、一般病院よりも詳しい検査が可能なため、一人ひとりに合わせた治療を受けられます。

一般病院では異常がないと診断された方でも、隠れ男性更年期の可能性が考えられます。症状に不安を感じたら「Dクリニック東京の男性更年期」を受診するのがおすすめです。

4.専門病院での主な治療法

専門病院ではどのような治療を行うのか確認してみましょう。

4-1.まずは男性力ドックから

専門病院では、LOH症候群の可能性を調べるために「男性力ドック」を受けることができます。男性ホルモン値を測定する血液検査だけでなく、血管年齢や動脈硬化度、骨密度なども測定して、総合的に症状を判断できるのが特徴です。

男性力ドックの結果をもとに専門の医師が診察を行い、一人ひとりに合った治療法を提案してくれます。

あなたのテストステロン値を測定する男性力ドック

4-2.男性ホルモン補充治療

LOH症候群の主な治療法は男性ホルモン補充治療(テストステロン補充治療)です。エナルモンデポー(エナント酸テストステロン)という男性ホルモン剤を定期的に注射で投与するのが一般的ですが、他にも皮膚に塗布するテストステロンのクリームを使う場合もあります。

ただし、前立腺がんなど他の病気を発症している方は身体の状況と発症の度合いに合わせた診察と治療が必要です。持病のある方は専門の医師に相談し、解決策を見つけましょう。

4-3.漢方薬

男性ホルモン補充治療が行えない場合や、それほど男性ホルモン値が低下していない場合は漢方薬で治療を行います。漢方薬は複合的に症状を緩和でき、身体への負担も少ないのがメリットです。

症状によっては男性ホルモン補充治療と併用して治療を行うケースもあります。漢方薬は症状や体質に合ったものを服用する必要があるため、自己判断で市販薬を使用しないようにしましょう。

5.LOH症候群の治療期間はどれくらい?

一般的なLOH症候群の治療法である男性ホルモン補充治療(注射)を行う場合、2〜3週間に1度のペースで投与を続けます。3か月程度続けて効果を判定し、効果がある場合は継続して治療を行います。

治療期間は1年間が目安になりますが、人によって治療期間は異なるため、不安のある方は事前に専門の医師に相談しましょう。

6.Dクリニック東京・Dクリニック大阪メンズは、LOH症候群(=男性更年期)に悩んでいる男性をしっかりサポート

Dクリニック東京・Dクリニック大阪メンズでは、男性更年期治療を行う「男性更年期専門外来」を設けています。さまざまな検査の結果を考慮した上で、LOH症候群の専門的な知識や治療実績の豊富な専門の医師が診察を行います。

治療が必要になった場合、患者様が安心して治療を進められるように精神面もしっかりサポートします。ひとりで悩みを抱えている方、原因のわからない心身の不調が続いている方はお気軽にご相談ください。

より詳しく知りたい方や、男性更年期外来をご検討の方は「Dクリニック東京の男性更年期」をご覧ください。