イライラ・不眠が多いと感じたら必ずチェック‐男性更年期障害の特徴

このコラムのポイント

  • 男性更年期障害は男性ホルモン減少が原因で、メンタル・身体・性機能に多様な症状が現れる。

  • 加齢以外に、肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどが男性ホルモン減少を加速させる。

  • 症状改善には専門医による適切な診断と、ホルモン補充療法や漢方薬などの個別化治療が効果的。

「イライラする」「よく眠れない」「寝つきが悪い」などの症状を感じたら、男性更年期障害(LOH症候群)の可能性が考えられます。男性更年期障害を発症すると、身体やメンタル、性機能に大きな影響を与えます。

原因のわからない不調が続くと、仕事や人間関係に支障が出る場合もあるので注意が必要です。正しい対策をとるためにも、男性更年期障害の特徴や原因をチェックしてみましょう。

1.男性も更年期障害になる?

女性の病気として認知されてきた更年期障害ですが、男性でも発症することが分かってきました。最近の研究では潜在患者600万人ともいわれています。どのような原因によって起こるのか、見てみましょう。

1-1.男性更年期障害の原因

女性の更年期障害は、生理が止まる閉経前後にエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少することで起こります。男性更年期障害の原因は、テストステロン(男性ホルモン)の減少によるものです。

テストステロンは20〜30歳をピークに減少していき、テストステロン値が低くなることによってさまざまな不調が起こります。テストステロンの減少の度合いは個人差があり、更年期と呼ばれる40〜60代だけでなく、20〜30代で発症する場合もあります。

1−2.男性の更年期は長期間続くのも特徴

テストステロンは徐々に減少していくことから、症状も徐々に現れてきます。男性には閉経のような大きな変化がないこと、発症する年齢にも個人差があることから、更年期障害と気づかない場合も多いようです。

働き盛りの男性にとって、体の不調は日常茶飯事かもしれません。しかし、適切な対策をとらないでいると症状が長期的に続いたり、悪化して大きな病気を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。

2.男性更年期障害の症状とは

男性更年期障害になると、メンタルや身体、性機能にさまざま不調が起こります。それぞれにどんな症状が現れるのかチェックしてみましょう。

2-1.メンタルに起こるケース

メンタルに起こる代表的な症状は、

  • ゆううつ感
  • イライラ
  • 不安感
  • 倦怠感
  • 集中力の低下

などです。

テストステロンが減少すると自律神経のバランスも悪くなるため、メンタルにさまざまな症状が起こります。精神状態が不安定になり、不眠症を引き起こす場合も多くあります。

2-2.身体に起こるケース

身体に起こる代表的な症状は、

  • ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・異常発汗)
  • 手足のしびれ
  • 筋肉痛・関節痛
  • 疲労感

などです。

テストステロンは筋肉や骨を強くして、たくましい体を作る働きがあります。そのため、減少によって筋力低下や筋肉痛、関節痛を感じる場合があります。他にも「ちょっとした運動がつらい」「体が重く感じるようになった」などの症状が現れたら注意しましょう。

2-3.性機能に起こるケース

男性機能に起こる代表的な症状は、

  • ED(勃起障害)
  • 性欲減退
  • 頻尿

などです。

テストステロンが減少すると、勃起しない、勃起が長続きしないなどの勃起障害が起こることが多くあります。男性としての自信をなくしたり、パートナーとの関係に影響が出る場合もあるため、早めに治療することが大切です。

3.男性更年期障害チェック

まずは自分に起きている不調が男性更年期障害の症状なのかをチェックしてみましょう。

□ 体調がすぐれない
□ 不安を感じる
□ ほてりやのぼせがある
□ ひどく汗をかく
□ 筋肉や関節に痛みがある
□ 寝つきが悪い・よく眠れない
□ イライラする
□ 気持ちが落ち込む
□ 身体に疲れを感じる
□ 筋力が衰えた
□ もう自分のピークは過ぎたと感じる
□ ヒゲが伸びるのが遅くなった
□ 朝立ちがない
□ 肩こりや頭痛に悩んでいる
□ 手足にしびれがある

当てはまる項目が多く、それぞれの項目の症状が重いほど発症している可能性が考えられます。詳しく検査をするために一度専門医師に相談してみましょう。

4.加齢以外に男性ホルモンを減少させる要因

加齢だけでなく、普段の生活の影響でテストステロンを減少させてしまうことがあります。男性更年期障害の予防改善のために、どんな要因があるのかを知っておきましょう。

4-1.肥満と運動不足

肥満はテストステロンの低下を招くため、男性更年期障害の発症のリスクを高め、さらにはEDを発症させる可能性もあります。 また、運動不足もテストステロンを低下させる要因となることから、肥満傾向の方は運動を取り入れたダイエットをするのがおすすめです。

ちなみに、運動不足以外の理由でテストステロンが下がっても肥満の原因になります。適度な無酸素運動はテストステロンを増加させるといわれているので、ウォーキングなど無理のない運動からはじめてみましょう。

4-2.たばことアルコール

長期的に多量に飲酒するとテストステロンを減少させてしまいます。喫煙も肥満やEDを引き起こす可能性があるため、男性更年期障害発症につながる場合も。アルコールの過剰摂取や喫煙は健康に悪影響を与えるので注意しましょう。

4-3.ストレスや生活習慣の乱れ

ストレスや生活習慣の乱れはテストステロンを減少させるだけでなく、自律神経を乱れさせる原因になります。特に注意したいのが睡眠不足です。テストステロンは眠っている間に分泌され、朝に最もテストステロンの分泌量が多くなります。分泌量を増やすためにも、しっかりと睡眠時間をとるようにしましょう。

5.病院で男性更年期障害を改善する治療法

男性更年期障害の可能性を感じたら、改善するために正しい治療を受けましょう。病院でできる男性更年期障害の治療法について解説します。

5-1.テストステロン(男性ホルモン)補充治療

注射や外用薬(テストステロンクリーム)などで男性ホルモンを補う治療を「テストステロン(男性ホルモン)補充治療」といいます。男性更年期障害の一般的な治療で、正しく行えば副作用も少なく効果的な治療法と言われています。

前立腺がんの方は男性ホルモン補充治療ができないというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、前立腺がん自体はテストステロン(男性ホルモン)とは関係のないところで出来ることが研究で解明されています。

ただ、がんの発育に男性ホルモンが関わっている病気ですので、市販のホルモン剤を自己判断で使用することはやめましょう。身体の症状や、病気の状況に合った適切な判断を行うためにも専門の医師に相談してテストステロン(男性ホルモン)補充治療を行いましょう。

5-2.漢方薬

テストステロン(男性ホルモン)補充治療が行えない場合は、症状の緩和のために漢方薬を用いることもあります。

【代表的な漢方薬】

  • 当帰芍薬散:頭痛・めまい・動悸など
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):不眠・のぼせ・精神症状など
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):頻尿・勃起障害など

効果が現れるまでには時間がかかりますが、副作用が少なく安全というメリットがあります。現れている症状や体質によって使う漢方薬は異なるため、専門医師の診断の上で自分に合ったものを選ぶことが重要です。

6.症状を見極めて効果的な治療を行いたいなら専門の病院で相談を!

男性更年期障害は症状に合わせて泌尿器科や内科、精神科などの医療機関でも治療ができます。より詳しい検査をして、今の状態を把握したい方には専門クリニックがおすすめです。

男性の悩みに特化し、男性更年期障害の専門外来があるDクリニック東京・Dクリニック大阪では、さまざまな検査によって症状を見極めて一人ひとりに適切な治療を行っていきます。

男性更年期障害はいくつもの症状が複合的に現れたり、原因がはっきりとしないことがあります。効果的な治療を行うためにもDクリニックを訪れることをおすすめします。

▶正しい検査でタイプに合った最善の治療を行う専門病院

男性更年期障害を改善するには、生活環境を整えてテストステロンの減少を抑えることが大切です。しかし、身体・メンタル・性機能などの症状は他の病気との違いを判断しにくく、自己判断で市販薬を使って症状が悪化してしまうケースもあります。

専門病院では男性更年期障害の知識が深く、実績もある専門医師の診断が受けられます。間違った対策をしないためにも、正しい検査で自分に合った治療を行える専門病院を受診してみましょう。より詳しく知りたい方や、男性更年期外来をご検討の方は「Dクリニック東京の男性更年期外来」をご覧ください。