男性更年期障害とバナナの関係とは〜バナナの効果と男性更年期対策について〜

このコラムのポイント

  • バナナは男性更年期障害の「うつ症状」に効果的

  • 男性更年期障害には、たんぱく質や亜鉛を含む食品を積極的に摂取することが有効

  • 食生活の改善だけでなく、運動、ストレス管理、生活習慣の見直し、必要に応じた専門的治療が男性更年期障害への対策として重要

「男性更年期障害にはバナナが効くって本当?」

このように、男性更年期障害にはバナナが効果的と聞いたことのある方は多いでしょう。この記事では男性更年期障害にバナナが効くといわれる理由や、男性更年期障害の対処法などについて詳しくお伝えします。

男性更年期障害の「うつ症状」にはバナナが効果的!

男性更年期障害は主に「心」「体」「性」に影響を与えます。例えば、やる気が起きなかったり、筋肉量が減少したり、性欲が減ったりするのは男性更年期障害の症状の一つです。バナナが効果的と考えられているのは男性更年期障害の「心」の部分で、特に「うつ症状」の軽減に効果が期待できます。なぜバナナがうつ症状に効果的といわれるのか、その理由について見ていきましょう。

バナナは幸せホルモンの生成に働きかける

心の安定には幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を増やす必要があります。バナナにはセロトニンの材料になる「トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸が含まれているため、気分の落ち込みなどのうつ症状に効果が期待できるのです。また、ストレスを緩和する作用も見込まれます。

1日1本(200g程度)を朝食べるのがおすすめ

幸せホルモンのセロトニンは日中に生成されるため、朝にバナナを食べるとセロトニンの分泌に繋がります。ただし、バナナを食べすぎると肥満になる可能性があるため、バナナは1日1本(200g程度)を目安に食べましょう。スムージーにする、ヨーグルトに混ぜるなど、さまざまなアレンジができるのもバナナの魅力です。

バナナと同時に食べてほしい食材

ビタミンB6・葉酸・ナイアシンを含む食材を同時に食べることで、セロトニンの合成を促す効果が期待できます。毎日の食事にぜひ取り入れてみてください。

栄養素 含有食品
ビタミンB6 🥑 アボカド
🥬 切り干し大根
🌿 モロヘイヤ
葉酸 🍃 ほうれん草
🥦 ブロッコリー
🥬 アスパラガス
🌊 乾燥わかめ
🍙 焼きのり
ナイアシン 🍄 きのこ類
🌾 玄米
🍞 ライ麦パン
🐟 かつお
🐟 ビンチョウマグロ

男性更年期だけじゃないバナナの健康効果

バナナは男性更年期障害のうつ症状に効果が期待できますが、実は他にもさまざまな健康効果を期待できます。バナナの持つ5つの働きについて見ていきましょう。

疲労回復

バナナに含まれるポリフェノールには抗酸化作用があるため、疲労回復効果を期待できます。疲労の原因は体内に蓄積される活性酸素や酸化ストレスですが、活性酸素はストレスや過度な運動、大気汚染、タバコ、紫外線などで増えるといわれています。

そのため、疲労を取り除くためには酸化の原因を除去し、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取することが重要です。バナナを食べることで活性酸素から体を守り、疲労回復もスムーズにできるようになります。食べ過ぎには注意が必要ですが、疲れたらおやつにバナナを食べてみるのもよいでしょう。

高血圧の予防

バナナには食物繊維が多く含まれており、血糖値が急上昇するのを抑える効果が期待できます。そのため、高血圧予防にはバナナが効果的だと考えられているのです。

また、バナナにはカリウムも豊富に含まれており、食塩の排出を促すため血圧の上昇を防いだりむくみを改善したりする効果が見込まれます。さらに、バナナにはビタミンやミネラルも豊富に含まれているため、血圧の正常化だけでなく血行の改善にも働きかけます。

食後の満足感が高く糖質がそれほど多くないため、食べ過ぎや高血圧のリスクも少ないと考えられます。

消化・吸収の促進

バナナには消化酵素の「アミラーゼ」が含まれています。アミラーゼは消化や吸収をサポートする酵素で、炭水化物の消化に欠かせない役割を持っています。

アミラーゼには体内(唾液腺・膵臓)で分泌されるものと、食品から摂取するものの2種類があり、加齢とともに体内で分泌されるアミラーゼは減っていきます。

アミラーゼが減ると消化が妨げられ胃もたれしやすくなりますが、バナナを食べることでアミラーゼが補われ、消化吸収をサポートできるのです。

ダイエット

バナナは血糖値が緩やかに上昇するといわれています。血糖値が急激に上昇すると過剰にインスリンが分泌されてしまい、体内に脂肪を溜め込みやすくなってしまうのです。バナナは血糖値が急上昇しないため脂肪を溜め込みにくく、ダイエット中にも食べやすい食材といえます。

さらに、便通もよくなり利尿作用によってむくみも改善されるため、体がすっきりするでしょう。ビタミンB群によってエネルギー代謝を上げることもダイエットには効果的です。

便秘・下痢の改善

バナナに含まれる食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、便通を良くする効果があります。また、水溶性の食物繊維は善玉菌の餌になるため腸内環境を整える働きもあります。腸内環境が整うことで下痢や軟便の改善効果も期待できるのです。

食物繊維の種類 効果
不溶性食物繊維
  • 便意を催す
  • 水分を吸収し便の量を増やす
  • 毒素を吸収して便と共に体外へ排出する
水溶性食物繊維
  • 便を軟らかくする
  • 便の滑りを良くする
  • 善玉菌の増殖を促す
  • 腸内環境を整える

また、バナナにはフラクトオリゴ糖が含まれています。フラクトオリゴ糖は大腸まで届いて善玉菌の餌となり、腸の働きを助けます。便秘や下痢の予防にも効果が期待できるのはバナナの嬉しいポイントです。

バナナ以外の男性更年期障害におすすめの食べ物

男性更年期障害におすすめの食べ物はバナナだけではありません。おすすめの食べ物をご紹介しますので、毎日の食生活に取り入れてください。

男性ホルモンを強化する「たんぱく質」

男性ホルモンの強化や筋肉増加に欠かせないのがたんぱく質です。

  • 牛乳
  • 大豆

などにたんぱく質は多く含まれているため、毎日の食事に取り入れましょう。
また、下記の食材はたんぱく質と一緒にとることでテストステロンを増強する作用が期待できます。

  • ネギ
  • ニンニク
  • ニラ
  • アボカド
  • 山芋
  • にんじん

お肉をガーリックソテーにしてみたり、ニラたまを作ったりするなど、うまく食材を組み合わせて積極的にたんぱく質を摂取しましょう。

男性ホルモン分泌を促す「亜鉛」

男性ホルモンの分泌に欠かせないのが亜鉛です。亜鉛不足はテストステロンの血中濃度を減少させるだけでなく、精子の数も減らしてしまうといわれています。

  • 牡蠣
  • うなぎ
  • レバー
  • 大豆
  • ワカメ

などには亜鉛が多く含まれているため、毎日の食事に取り入れてみましょう。ただし、亜鉛の摂り過ぎは鉄や銅などの吸収を妨げ体調不良を引き起こすことがあります。そのため、サプリメントなどで亜鉛を摂取する際は1日の摂取目安量を必ず守るようにしましょう。

また、玉ねぎに含まれている含硫アミノ酸も男性ホルモンの分泌をサポートするといわれています。玉ねぎは切ってすぐに食べるか少し加熱してから食べると含硫アミノ酸を効果的に取り入れることが可能です。

さらに、ネバネバとした食材(納豆・オクラ・なめこ・山芋など)は男性ホルモンと似た働きをするため積極的に食べるとよいでしょう。

男性ホルモンを増強するレシピ3選

男性ホルモンを増強するレシピの中でも、簡単にできるものを3つご紹介します。

<カツオのたたき>

カツオには良質なたんぱく質が豊富に含まれており、昔から滋養強壮に効果があるといわれています。他にもビタミンB1・B6・B12やミネラル類も含まれており、栄養豊富な食材として知られています。

カツオのたたきはスーパーでも簡単に手に入るため、手軽に取り入れられるでしょう。ニンニクやネギをたっぷり乗せていただくのがおすすめです。

<アボカド卵納豆>

アボカドはたんぱく質と一緒に摂取することでテストステロン増強作用が期待できます。また、納豆などのネバネバ食品は男性ホルモンと似た働きをするため相乗効果が期待できるでしょう。良質なたんぱく質源である卵を加えることでさらに効果倍増のメニューができます。

<ガーリックステーキ>

ニンニクは疲労回復の定番フードですが、たんぱく質と同時に摂取することが重要です。肉や魚と一緒にニンニクを食べることでテストステロンの分泌量を増やすことができます。

また、ニンニクはすりおろして食べることでエネルギー量の増加が期待できます。熱を加えるとにおいも抑えられるため、ガーリックステーキやニンニクソースで食べるとよいでしょう。ただし、ニンニクは加熱しすぎるとビタミン類が損なわれる可能性があるため、加熱時間には注意してください。

男性更年期障害の対処法

食べ物以外でできる男性更年期障害の対処法を5つご紹介します。

運動をする

適度な運動はテストステロンの分泌を促す作用が期待できます。反対に運動不足になればテストステロンの分泌量が減少する可能性が高くなり肥満の原因にもなるのです。また、肥満になると血行が悪くなりテストステロンの分泌量がさらに減少する可能性があります。

適度な運動は肥満を防止し、質の良い睡眠が取れるようになるでしょう。

運動の中でも筋トレはテストステロンの分泌を促す効果があるため、できる範囲で取り入れてください。特にスクワットは全身の筋肉を使うといわれているためおすすめの筋トレです。

タバコ・アルコールを控える

タバコを吸うことでストレスを解消する効果は期待できますが、男性ホルモンにはあまり良い影響がありません。タバコの煙の中には活性酸素が含まれており、血中に入ることで細胞を壊したり栄養を破壊したりして男性ホルモンの分泌量を低下させる原因になるのです。

年齢とともに活性酸素に対抗する酵素量は減少するため、若い頃よりも活性酸素の影響を受けやすくなります。男性更年期障害を改善するためにはタバコを控え、他のストレス解消方法を見つけるようにしましょう。

また、アルコールの解毒には多くの栄養が消費されるため、男性更年期障害の予防や対策にはお酒を控えることも重要です。飲酒量が多くなればその分解毒が必要になり、男性ホルモン生成に栄養が回らなくなります。お酒は適度な量を楽しむようにしましょう。

食生活を見直す

食生活の乱れは男性更年期障害を悪化させる可能性があります。特に下記のような食生活は見直すようにしましょう。

<高カロリーな食事>

肥満はテストステロンの分泌量が下がる原因と考えられています。そのため、高カロリーな食事は男性更年期障害のリスクを高めてしまうのです。健康のためにも、男性更年期障害にならないためにも、毎日の食生活ではカロリーを意識するようにしましょう。

<栄養バランスが偏った食事>

カップラーメンやハンバーガー、スナック菓子ばかり食べていると食事の栄養バランスが偏ってしまいます。

特にビタミンやミネラルが不足するとテストステロンが効率的に分泌されないため、男性更年期障害を引き起こす可能性があるのです。手軽に食べられるからといってファストフードに頼るのではなく、野菜を食べたり自炊したりして栄養バランスにも気をつけましょう。

自炊が難しい場合は外食やテイクアウトをする際にもサラダを一緒に注文するなどして、できるだけ野菜を摂るようにしてください。

ストレスを溜めない

過度なストレスはテストステロンの分泌を妨げてしまいます。その結果男性更年期障害を悪化させる可能性があるため、こまめなストレス発散が重要です。

  • 好きなドラマを見る
  • ぼーっとする時間を作る
  • 友人と食事をする
  • 家族団らんの時間を作る
  • ゲームをする
  • 温泉旅行に行く
  • スポーツで汗を流す

など、自分にあったストレス解消方法を見つけましょう。

クリニックで治療を受ける

男性更年期障害は女性の更年期と異なり、放置していてもなかなか治りません。症状が辛い場合はクリニックでの治療を検討してください。

男性更年期障害の治療にはテストステロン補充療法(注射・クリーム)をはじめ、投薬治療やED治療などがあります。年齢とともに減少するテストステロンを注射やクリームによって補充したり、症状に合わせた内服薬や漢方薬を服用したりして、体内のホルモンバランスを整えるのです。

男性更年期障害が疑われる方は、まずは一度診察を受けてみるとよいでしょう。

男性更年期障害はDクリニックまでご相談ください

男性更年期障害は誰でも発症する可能性があるため、なんとなくやる気が出ない、筋肉量が減った気がする、性欲がなくなってきたという方は男性更年期障害が疑われます。
Dクリニックでは「男性力ドック」をご用意しており、男性更年期障害を「精神的」「身体的」「性的」な側面から総合的に診断いたします。患者様の症状や原因にあった治療方法をご提案いたしますので、まずはお気軽に当院までご相談ください。