うつ病ではなく、もしかしたら「男性の更年期障害」かもしれません。
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このコラムのポイント
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男性更年期障害は30代半ばから発症する可能性があり、認知度は低いが深刻な問題です。
うつ病と症状が似ているため、誤診されやすく適切な治療を受けられないことがあります。
テストステロン値の測定と専門医への相談が、早期発見と適切な治療につながります。
気持ちが落ち込む、憂うつ、やる気がない、イライラする、だるい、眠れない…。そんな症状がある時、「うつ病かもしれない」と思ったことはありませんか。または、「やる気がない」「怠けている」「年だからしょうがない」と勘違いされ、周囲の方から誤解を受けてしまうことはありませんか。
男性更年期の患者数は年々増加傾向に…
実はこういう症状を抱えている男性の方は「更年期障害」になっている可能性があります。
男性の更年期障害については、女性の場合と違ってまだ世の中の認知度は低い状況にあります。しかし予備軍を含め症状をうったえる方が年々増加しており、深刻な社会問題とされているほどです。
更年期のサインは女性ほど明確に認識されていないため、更年期とわからず男性が一人で悩みを抱えてしまっているケースが多く、じっと我慢を続けてしまっていることも…。
更年期症状は、いつの間にか自然に解決していく事はほとんどありません。我慢せずにさまざまな角度から症状改善を試みること、信頼のおける男性専門の医師に相談すること、また自分自身がきちんと症状と向き合うためにも周囲へ理解を持ってもらうことが大切です。今の症状を少しでも早く改善するために、まずは「男性の更年期障害」について、知識を得ましょう!
男性更年期の患者が抱える症状
- イライラ
- 鬱
- 眠れない
- 不安
- ほてり
- めまい
- メタボリックシンドローム
- 疲れがとれない
- 朝起きられない
- など
身体的・精神的・性的な側面から男性力を数値化し、男性更年期の治療を行います。
「自分は大丈夫」という思い込みは危険!30代半ばから男性更年期になるケースも 増えています。
一般的に、女性の更年期障害は広く知られていますが、男性にも更年期障害があることの認知はまだまだ浅いようです。
女性の更年期障害は「閉経」前後の5年以内と定義されており、程度の差はあるもののほとんどの方が経験します。一方、男性の更年期障害は50~60代だけでなく、働き盛りの30~40代男性にもみられます。
しかも、「始まりのサイン」が身体的にはっきりと表れません。男性更年期は、女性の閉経のような身体の変化がないことから見過ごされがちなのです。
男性更年期の大きな原因の一つに、男性ホルモンの代表格である「テストステロン」の分泌量が低下することが挙げられます。
テストステロンは男らしい身体(骨や筋肉)を維持するだけでなく、やる気や判断力、決断力などの頭脳の働きをコントロールする役割も担っています。
一般的には、テストステロン(=男性ホルモン)の値は20代が最も高いとされ、年齢とともに徐々に減少していきます。ただし高齢だからテストステロン値が低いとは限りません。生活環境やストレスによってもテストステロンは増減しますので、特に現代社会においては年齡に反比例するわけではないと言ってよいでしょう。
男性更年期の症状としては・・・
こうした症状は日常生活に影響を及ぼしてしまい、症状の積み重ねが別の大きな病気を引き起こすことにもなりかねません。男性更年期(=LOH症候群)は、「年のせい」や「気のせい」で片付けられるものではなく、きちんとした治療が必要なのです。
男性のうつ病と、男性更年期の違いは?
男性更年期の知識がなく、病院を転々としている方が多いようです。
男性更年期とうつ病は同じような症状があり、密接に関係しています。まずは受診しましょう。
そもそも、男性更年期とうつ病の症状は重なる部分がとても多く、密接に関係していますので一概にどちらと決め込んでしまう必要もありません。一般的な傾向としては、うつ病の場合は精神的な症状が出やすく、男性更年期の場合は身体的な症状が出やすいということがあります。
大切なことは、うつ病だと断定して長い間その方向だけの治療で我慢をしないことです。
治療に関しても、男性更年期と気付かず不調を抱えたまま生活を続け、結局うつ病まで発症してしまったというケースも少なくありません。また、うつ病だと思い込み、治療を行っても治らず病院を転々としている方も多いようです。症状が改善しないようであれば「男性の更年期障害」の治療を行っている医療機関を受診してみましょう。
男性更年期の具体的な症状
薬が男性ホルモンの値を下げてしまうケースも…!?
抗うつ剤の服用には注意が必要です。うつ病と診断され、抗うつ薬を飲んでも改善しない場合は、どんどん薬の種類が増えていく傾向があります。薬にはさまざまな種類がありますが、実は抗うつ薬の中には、テストステロン値を下げてしまうものがあります。
長年、いろんな抗うつ薬を飲み、テストステロンが下がっている人の場合、病院でテストステロンを補充することで症状が改善するケースがみられます。ただし、テストステロンの補充でうつ病を治すということではなく、うつ病の治療と併用することで効果が得られるのです。また、男性更年期障害(LOH症候群)ではない人には、テストステロンを補充してもほとんど効果がありません。
うつ症状で悩んでいる方も、男性更年期かもしれないと感じている方も、薬について自己判断は危険です。男性更年期の可能性を考えた場合、専門クリニックに相談することがオススメです。
うつ病と決めつけず、男性更年期の可能性も疑ってみましょう
本来身体が持っている「テストステロン値」が症状改善の鍵になります!うつ病が広く知られるようになったため、気分が落ち込んだり眠れなくなったりすると、まず「うつ病かもしれない」と考える人が多いでしょう。
しかし、うつ病の原因になりそうな大きなストレスに心当たりがなければ、最初からうつ病と決めつけてかからず、男性更年期など別の視点から病気を疑ってみることも大切です。
自分ひとりで抱え込まないことも重要なポイントです。
思い切って家族や友人などに相談して、一緒に解決策を考えてもらうと気持ちがラクになるはずです。もしまわりに辛そうな人がいたら、しっかり本人の声に耳を傾け、寄り添うような姿勢で接しましょう。
男性ホルモンの代表格=テストステロンの値が下がってくるとさまざまな「困った」問題がおきます。
たとえば、「何もかもが億劫になる」「やる気がなくなる」などです。仕事はもちろん、今まで没頭していた趣味や習い事などにも意欲をなくし、あっさり放りだしてしまったりします。またいつもイライラして、時には周囲に当たり散らすこともあるでしょう。
そうなると家族や会社の同僚、部下から煙たがられ、結果孤立してしまうという悪循環も…。興味がなくなるのは自分のことだけではありません。世の中で起こっていること、社会現状に対しても同様で新聞やニュースにも関心を持てなくなります。
男性ホルモン=テストステロンは身体の筋力を強靭に保つだけでなく、精神的なコントロールも司るので身体の中でとても大きな影響力を持っているのです。
男性ホルモン(テストステロン値)は測れます。
男性更年期専門クリニックの医師は男性ですので、気兼ねなく相談できます。
男性更年期の症状を長く抱えることで、心筋梗塞や脳梗塞、また癌などの重い病につながってしまうケースも…
うつ病なのか男性更年期か、もしくは別の病気が潜んでいるのか、自分で冷静に判断できる方は本当に少数派です。ほとんどの方が原因がわからないまま不調をじっと我慢し、長年悩みを抱えた状態になっているのが現状です。
しかしこれはとても危険です。男性更年期の症状を長く抱えることで、心筋梗塞や脳梗塞また癌などの重い病につながってしまうケースも十分あり得るのです。決して軽くみるべき病気ではありません。
気になる症状があれば、できるだけ早めに専門の医療機関で受診しましょう!
男性更年期については、男性専門のクリニックでテストステロン値を測定することが大きな一歩となります。もしテストステロン値が少なければ、クリニックに通って補充するという治療法(ホルモン補充療法)がありますし、自分で改善できる生活習慣のアドバイスをもらうことも可能です。
もともとテストステロンを生み出す力は誰にでも備わっているものなので、自分自身の力で平均的な値が保てるようになれば身体の調子も変わってくるはずです。
ホルモン補充療法ってどんな治療?
男性ホルモンの代表格であるテストステロンを身体に直接注入する治療法です。日本ではまだ馴染みがありませんが、医療先進国では一般的な治療法とされています。
ホルモン補充療法は専門医師のもとで正しく行う必要があるので、専門クリニックでの受診が重要になります。
医療機関のご紹介
既にお悩みを抱えている方も、まだ自覚症状はないけれど今後の健康状態が気になる方など、お気軽にご相談ください。