予防はできる?男性ホルモンの減少が心と体に影響する男性更年期障害
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このコラムのポイント
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男性更年期障害は男性ホルモン減少が原因で、心身や性機能に多様な症状が現れる。
加齢やストレス、不規則な生活習慣が男性ホルモン減少を加速させる要因となる。
生活習慣の改善で予防可能だが、症状が出たら専門医の診断と適切な治療が重要。
男性ホルモンの減少から起こる男性更年期障害。発症すると心や体にさまざまな症状が現れるようになります。きちんと改善を目指すなら専門病院での治療が必要ですが、日常生活の見直しで男性ホルモンの減少を防ぐことも可能です。
最近、体に不調を感じる方は、男性更年期障害が起こる原因や心・体への影響、男性ホルモンの減少を防ぐ方法などをチェックしてみましょう。
1.男性更年期障害はホルモンの減少で引き起こる
男性ホルモン(テストステロン)は体や心、性機能に大きく関わる働きがあります。
主な働きは、
- ひげや体毛を増やす
- 筋肉を増強し、骨を太くする
- 低い声になる
- 性欲を増進させる
などです。
思春期になるとたくましい体へ変化し、性的なことに関心を持つようになりますが、これは男性ホルモンの働きによるものです。他にも精神を安定させる効果があったり、内臓や血管の働きに影響を与えていたりするため、男性ホルモンが減少すると体のいたるところにさまざまな不調が現れるようになります。
この体の不調を「男性更年期障害(LOH症候群)」と呼び、近年では女性の更年期と同じように認知されてきています。
2.男性更年期障害の心への影響は?
男性更年期障害になると、精神的な面で症状が現れることがあります。代表的な症状を見ていきましょう。
2-1.神経質になる
男性ホルモンの減少によってホルモンバランスが乱れると、自律神経に影響を与えるため、不安を感じやすくなったり、イライラ神経質になったりすることがあります。真面目な方や責任感の強い方ほど、男性更年期障害が発症しやすい傾向にあるといわれています。
「ちょっとしたことが気になる」「不安でパニックになる」「精神的に落ち着かない」など、原因のわからない症状を感じたら男性更年期障害の可能性が考えられます。
2-2.うつ症状が出る
男性ホルモンが減少すると意欲低下や憂うつ感、認知機能の低下などの「うつ症状」を感じることがあります。うつ病だと思い込んで治療をしていたけれど、改善しないばかりか症状がひどくなったというケースも。
抗うつ薬の中にはテストステロン値を下げてしまうものもあるので注意が必要です。男性更年期障害によってうつ症状が起きている場合は、注射やクリームでホルモンを補う「テストステロン(男性ホルモン)補充治療」と合わせて、うつ病の治療を行うことが効果的です。まずは正しく判断してもらうために、男性更年期障害の専門クリニックに相談してみましょう。
3.男性更年期障害の体への影響は?
男性更年期障害の症状は体の不調として現れることがあります。代表的な症状をチェックしてみましょう。
3-1.体がほてる
女性の更年期障害の代表的な症状に、ほてりやのぼせ、多汗などが起こる「ホットフラッシュ」があります。ホルモンバランスの乱れによる自律神経への影響が原因のひとつと考えられており、男性更年期障害でも起こる症状です。
症状が現れた時には、体を冷やしたり、通気性の良い服を着たりする対処法が有効ですが、男性更年期障害の治療をしっかりと行うことで根本的な改善が期待できます。
3-2.ホットフラッシュや動悸がする
男性更年期障害を発症すると、心臓の動きが強い・速い・乱れているなどの「動悸」を感じることがあります。心臓の動きには自律神経が大きく関わっているため、ホルモンバランスの影響から自律神経が乱れて、心臓の動きをうまくコントロールできなくなるのが原因とされています。
また、男性更年期障害は高血圧を引き起こすケースもあり、高血圧の症状として動悸が起きている場合もあります。高血圧は動脈硬化を起こして、心筋梗塞や心不全、狭心症など他の病気を発症する原因にもなることがありますので、異常を感じたら早めに専門医師に診察してもらいましょう。
3-3.筋力・骨密度低下
男性ホルモンはたくましい体を作る働きがあることから、減少すると筋力や骨密度が低下する場合があります。体型の変化は運動不足や年齢のせいだと感じてしまいがちですが、実は男性更年期障害の症状である可能性も。
最近疲れやすいと感じている方や、運動をするのがつらいという方は男性更年期障害の発症も疑ってみましょう。
3-4.男性ならではの影響
男性ホルモンの低下によって、ヒゲや体毛が薄くなったり、内臓脂肪が増えてお腹が出てきたりといった見た目の変化も起こるようになります。
また、男性更年期障害特有の症状として、ED(勃起障害)や朝立ちの減少、頻尿などの男性機能障害が起こる場合も。男性機能障害の症状がある際には、バイアグラなどのPDE5阻害薬を服用することで、症状の改善と同時にテストステロン値を上昇させる効果が期待できます。
EDの症状から男性更年期障害が見つかることもあるため、男性機能の衰えを感じたら年齢や疲れのせいにせず医師の診察を受けるようにしましょう。
4.男性ホルモンが減少する原因
男性ホルモンはなぜ減少してしまうのでしょうか。その原因をチェックしてみましょう。
4-1.加齢
男性ホルモンは20〜30歳をピークに分泌量が減少していき、40代後半あたりから男性更年期の症状が現れはじめることが多くあります。女性の場合は閉経をきっかけに更年期障害を発症するのが一般的ですが、男性には閉経のようにわかりやすい変化がありません。
老化現象だと思って自分が更年期障害と気づかない場合もあるため、専門医師に症状を見極めてもらうことが大切です。
4-2.ほかにも原因はある?
男性ホルモンの減少はストレスが多いほど加速するといわれています。男性更年期障害が発症しやすい中高年の頃は、仕事が忙しくなり、責任も重くなりがちです。肉体的・精神的にストレスを受けやすいことから、男性ホルモンの減少が加速して男性更年期障害を発症するケースもあります。
また、【過度な飲酒や喫煙・運動不足・睡眠不足】などの不規則な生活が男性ホルモンの減少を促すきっかけになることも。ストレスや生活環境の影響によって30代で発症する場合もあるため、若い世代の方も油断しないようにしましょう。
5.男性ホルモンの減少を防ぐ方法
男性ホルモンの減少は生活習慣を見直すことで防ぐことができます。改善ポイントを確認して、できることからはじめてみましょう。
5-1.ストレスを抱えないようにしましょう
男性ホルモンの減少を防ぐには、ストレスを抱えないことが重要です。仕事や家庭内、人間関係など、ストレスを感じることは人それぞれあります。まずはストレスの原因を把握して、上手に解消しましょう。
5-2.睡眠不足を解消しましょう
睡眠不足はストレスの原因にもなるため、十分な睡眠時間をとるようにしましょう。ただ眠る時間を増やすだけでなく、質のいい睡眠をとることが大切です。男性機能障害を発症すると不眠や寝つきが悪いなどの睡眠障害を引き起こすこともあるため、症状を感じている方は専門クリニックで治療するのがオススメです。
5-3.適度な運動をしましょう
男性ホルモンの分泌を高めるには、筋力アップのための適度な運動が効果的だといわれています。適度な運動はストレス解消や質のいい睡眠、疲労回復などにもつながりますが、激しい運動は逆効果となるので要注意。運動不足の方は、軽いジョギングやウォーキングからはじめましょう。
5-4.飲酒・喫煙を控えましょう
通常の飲酒では男性ホルモンの減少に影響はありませんが、過度な飲酒を続けていると男性ホルモンの生成に悪影響を与える可能性があります。また、アルコールによって内臓脂肪が増えると、肥満から男性ホルモンが減少する場合もあるので注意しましょう。
タバコは、男性ホルモンを増やすという研究結果もありますが、内臓脂肪の増加や動脈硬化、EDの原因になることも。男性更年期障害だけでなく、健康的な毎日を過ごすためにも過度の飲酒や喫煙は控えるようにしましょう。
6.男性ホルモンの減少が検査でわかる!気になる方は、男性更年期専門外来があるクリニックへ
男性更年期障害の症状は他の病気と間違いやすいため、しっかりと検査をして診断する必要があります。Dクリニック東京・Dクリニック大阪では男性更年期障害の専門外来を設けていることから、血液検査や男性専用の特殊検査(男性力ドック)などで男性ホルモンの減少を詳しく調べることが可能です。その結果を元に専門医師の診察を行い、患者様の症状に合った治療法を正確に判断します。
より詳しく知りたい方や、男性更年期外来をご検討の方は「Dクリニック東京の男性更年期外来」をご覧ください。忙しくてなかなか生活習慣を変えられない方も、まずは専門クリニックの検査で自分の男性ホルモンの状態を確認しませんか?
▶「男性ならではの悩みを解決へ導く専門の病院」
男性機能の症状は泌尿器科でも相談できますが、一般的な病院にはなかなか相談しにくいこともあるでしょう。勃起が長続きしないなどの悩みはパートナーとの関係を悪くしたり、男性としての自信がなくなったりすることもあります。
男性更年期障害の早期改善を目指すためにも、悩みを感じたら専門のクリニックに早めに相談してみましょう。