テストステロンの減少は睡眠不足が原因?男性更年期障害の原因と対策について
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このコラムのポイント
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睡眠不足はテストステロン減少の原因に
男性更年期障害は心身に様々な影響
テストステロン増加には睡眠と生活改善
男性ホルモンの「テストステロン」が減少すると、男性の心と身体にさまざまな影響を与えます。テストステロンは睡眠と深い関わりがあるといわれていますが、一体どのような関係性があるのでしょうか。この記事ではテストステロンと睡眠の関係について詳しく解説していきます。
睡眠とテストステロンの関係とは
はじめに睡眠とテストステロンの関係について見ていきましょう。
睡眠不足はテストステロン分泌量低下に繋がる
睡眠中には成長ホルモンが分泌されますが、成長ホルモンにはテストステロンの分泌を促す働きがあるのです。成長ホルモンは深い睡眠(ノンレム睡眠)のときに分泌されますが、睡眠時間が短かったり睡眠の質が悪かったりすると十分なノンレム睡眠が得られず、成長ホルモンが分泌されにくくなります。
その結果、テストステロンの分泌量減少に繋がるのです。テストステロンは睡眠中に最も分泌量が増えるため、睡眠不足はテストステロンの分泌量減少に大きな影響を与えます。
テストステロンの減少は「男性更年期障害」の引き金に
テストステロンが減少すると、男性の生活にさまざまな影響を与えてしまいます。また、男性更年期障害を引き起こすきっかけにもなるのです。更年期障害は女性の病気というイメージが強いですが、実は男性にも起こる可能性があります。
また、女性の更年期障害とは異なり、いつ発症するか、いつ終わるのかが曖昧で、自然に治らないこともあるのです。テストステロンの減少は男性更年期障害の引き金となり、男性のQOL(生活の質)を下げてしまうため、早めに対処するようにしましょう。
男性更年期障害とは
テストステロンの減少によって起こる男性更年期障害について詳しく見ていきましょう。
男性の心・身体・性に症状が現れる病気
男性の更年期障害の特徴は「精神的」「身体的」「性的」な症状が現れることです。仕事や日常生活にも影響を与えますが、女性の更年期障害と比べて認知度が低いため、男性更年期障害を発症していると気づかずに辛い思いをしている方が大勢いらっしゃいます。
下記のような症状に当てはまる方は男性更年期障害の可能性があるため、早めに専門のクリニックで医師に相談しましょう。
精神的な症状
- やる気が出ない
- 集中力の低下
- イライラ
- うつ
- 不安
身体的な症状
- 疲労感
- 筋力低下
- メタボリックシンドローム
- ホットフラッシュ(発汗・ほてり)
- 不眠
性的な症状
- ED
- 性欲減退
これらの症状は「年のせいかも」「怠けているだけ」と思われがちですが、実は男性更年期障害を発症していることがあります。なんとなくだるいという症状が続き、男性らしさの象徴である筋肉質な体つきは崩れ、性機能が低下することで自信を失う方も多いです。男性更年期障害は男性の生活にあらゆる影響を与えてしまいます。
原因は加齢・ストレス・生活習慣
男性更年期障害は、男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が低下することによって起こります。テストステロンには男性らしい身体の形成や精神を安定させる働きなどがあり、男性にとってなくてはならない存在です。テストステロンが減少することでこれらの働きが弱まり、体型が崩れたりネガティブな気持ちになったりと、あらゆる影響を与えます。
テストステロンの分泌量ピークは20〜30歳といわれており、その後は徐々に減少していきます。また、ストレスによってもテストステロンは減少するため、ストレスの多い環境にいる男性は更年期障害を発症しやすいといえるでしょう。
テストステロン値を高めるには睡眠が重要!
テストステロンは加齢やストレスによって減少しますが、睡眠によって分泌量を増やすことが可能です。今日からできるテストステロンを増やす睡眠のポイントを2つお伝えします。
①睡眠時間は6〜8時間確保する
テストステロンの分泌量を増やすためには、まず十分な睡眠時間を確保しましょう。テストステロンが分泌されるのは夜中の1〜3時といわれているため、その時間帯を含む6〜8時間の睡眠を心がけてください。
②照明・温度・寝具にも気を付ける
テストステロンを増やすためには単に睡眠時間を長くすれば良いというわけではありません。深い眠りにつけるよう、睡眠の質を高めることも重要です。
- 照明:明るさを抑えた間接照明がおすすめ。スマホの明るい画面は交感神経を刺激し眠りを妨げるため、寝る1〜2時間前には使用をやめましょう。
- 温度:寝室が暑すぎると寝苦しくなるため、涼しめ(18〜22度が推奨温度)の温度に設定しましょう。
- 寝具:自分に合った枕や寝具を使うことで質の高い睡眠を得られます。
睡眠以外のテストステロン分泌量を増やす方法
テストステロンの分泌量を増やす方法は睡眠以外にもあります。まずはできることから取り入れてみましょう。
栄養バランスのとれた食事
テストステロンの分泌量を増やすためにはバランスのとれた食事が重要です。特に下記の食材はテストステロン増強に効果的なため、積極的に取り入れましょう。
食品(主な成分) | 効果 |
---|---|
肉類(たんぱく質) | テストステロンの分泌量を増やす |
玉ねぎ・ニンニク(含硫アミノ酸) | テストステロンの分泌量を増やす |
ルイボスティー(ミネラル) | ホルモンの分泌を促す |
玉ねぎやニンニクはたんぱく質と同時に摂取するとテストステロンの増強作用が期待できます。そのため、生姜焼きやガーリックステーキなどで食べるのがおすすめです。
適度な運動
日常的な運動はテストステロンの分泌量を高めます。実際、日頃から運動習慣がある人のテストステロン値は運動習慣のない人と比べて高いという傾向もあるのです。まずは簡単に取り組める軽めの運動から取り入れてみましょう。
- 通勤時に1駅分歩く
- エスカレーターより階段を使う
- 1日30分の散歩をする
- スクワット(筋トレ)を行う
特に筋トレは男性らしい身体に近づけるためおすすめです。スクワットは全身運動のため効率よくトレーニングができ、ED対策にもなるため特に取り入れたい筋トレといえます。
ストレス発散
ストレスはテストステロンの分泌量を減少させるため、できるだけストレスを発散できるよう心がけましょう。おいしいものを食べたり買い物をしたり、自分なりにリラックスできる方法を見つけてください。
クリニックで治療を受ける
テストステロンの減少をセルフケアだけで食い止めるのは困難です。加齢により減少するテストステロンをこれ以上減らさないためには、専門のクリニックで治療を受けるのも良いでしょう。
クリニックであれば一人ひとりの症状に合わせた男性更年期障害治療を受けられます。毎日をイキイキと元気に過ごすためにも、クリニックに相談するという選択を選ぶのもおすすめです。
Dクリニックの男性更年期障害治療について
当院で行う男性更年期障害の治療についてお伝えいたします。
男性力ドック
<検査内容>
- 体組成計:身長・体重・体脂肪率・筋肉量・体水分量・BMI・腹囲・胸囲・首周り等
- 握力測定:筋力や運動機能を示すバロメーターとして測定
- 血液検査:男性ホルモン(テストステロン)を中心とした血液検査
- 超音波骨密度検査:かかとの骨による骨密度判定
- PWV検査:血管年齢、動脈硬化度の検査
- 2D:4D検査:両掌のコピーを撮り、男性ホルモンとの関係性を診る
当院では男性更年期障害が疑われる方に「男性力ドック」をお受けいただきます。男性力ドックは「身体的」「精神的」「性的」な側面から男性更年期障害を総合的に判断する当院独自の検査です。男性更年期障害の原因を見極め、適切な治療をご提案することができます。
テストステロン補充療法
テストステロン値が低く男性更年期障害が重度の方には「テストステロン補充療法」をお受けいただけます。テストステロン補充療法は注射や塗り薬でテストステロンを直接補う治療方法で、男性更年期障害のさまざまな症状に働きかけます。
当院では「エナルモン注射(エナルモンデポー)」と「テストステロンクリーム(アンドロフォルテクリーム)」の2つの治療をご用意しており、患者様の症状やご希望に合わせて適した治療をご提供しております。
<エナルモン注射(エナルモンデポー)>
「エナルモン注射(エナルモンデポー)」は筋肉注射によるテストステロン補充療法です。3〜4週間に一度の頻度で受けていただきます。比較的副作用が少なく、日本でも多くの男性に選ばれている治療です。
<テストステロンクリーム(アンドロフォルテクリーム)>
「テストステロンクリーム(アンドロフォルテクリーム)」は塗り薬によるテストステロン補充療法です。注射よりも緩やかに働きかけ、手軽に使用できるという特徴があります。
服薬療法(内服薬・漢方薬)
服薬療法は内服薬や漢方薬を処方する治療方法です。男性更年期障害の軽度〜中度の方に行う治療で、症状に合わせた薬を処方いたします。
- マイスリー:寝つきを改善する
- クロミッド:テストステロンの分泌を促進する
- ノベルジン:亜鉛不足を解消する
- 補中益気湯エキス(ほちゅうえっきとう):疲れやすい体質を改善する
ED治療
男性更年期障害が原因で起こるEDに対して、当院では3つの治療方法をご用意しております。性行為に自信がなくなった方や、満足いく性行為をしたい方はお気軽にご相談ください。患者様のお悩みやご希望に合わせた治療のご提案をさせていただきます。
<ED治療機器(レノーヴァ)>
レノーヴァは衝撃波を陰茎に照射する治療方法です。陰茎の血管が新生され、血流が良くなることでEDの改善に効果が見込まれます。
<ED治療薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)>
ED治療薬は性行為前に服用することで勃起をサポートできる薬です。薬の種類によって勃起の持続時間や硬さが異なるため、患者様のご希望に合わせた薬を処方させていただきます。
<エレマックス>
Eremax(エレマックス)はタダラフィルとトンカットアリを主な成分とした当院独自開発のED治療薬です。「血管内皮機能の改善」と「男性ホルモンの増加」をサポートでき、男性更年期障害の身体的・精神的・性的な症状のいずれにも作用します。いつでも勃起できる状態に近づけたい方に適した薬です。
テストステロンの減少による男性更年期障害はDクリニックまでご相談ください
テストステロンは加齢やストレスが原因で減少しますが、睡眠不足も一つの原因となります。まずはご自身の生活習慣を見直し、十分な睡眠時間を確保しましょう。
ただし、睡眠不足を解消するだけでは減少したテストステロンを元に戻すことは困難です。なんとなくだるい、やる気が起きない、性欲が減ったなどの症状が見られる場合は男性更年期障害の可能性があるため、早めにクリニックで相談しましょう。
男性更年期障害は発症すると自然に治らないケースも多く、日常生活にも大きな影響を与えます。毎日をイキイキと元気に過ごすためにも、心・身体・性に関する不調を感じたらお気軽に当院の男性更年期専門外来までご相談ください。