引き続き、Dクリニックの武田匡弘さんに、男性更年期障害についてのインタビューを行っていきます。男性にも更年期障害が起こることを知っているだけで、原因不明の不調を改善する兆しが見えてくるかもしれません。
今回のインタビューでは、男性更年期障害の診断から治療まで、そして予防法について詳しくお話を伺っていきます。
いろいろな角度から男性更年期をチェック
編集部
前回のお話では、男性ホルモンが減ることで男性更年期の症状が出るとのことでしたが、クリニックでの診断はどのように行われるのでしょうか?
武田さん
当院では男性更年期の検査として「男性力ドック」というものをご用意しています。採血でテストステロンの値をはかるのはもちろんですが、その他にも筋肉量や骨密度、血管年齢などさまざまな検査をおこない、その結果をもとに診察をおこないます。
男性更年期の3つの治療法をDクリニック新宿 院長 小山太郎先生が解説
編集部
テストステロン以外にもいろいろな検査をするんですね。
引用:Dクリニック東京「男性力ドック」のコラムより。Dクリニックでは多様な診断が可能。
初回はおよそ90分
編集部
初回の検査にはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
武田さん
だいたい90分くらいかかると見込んでいただけると安心だと思います。午前中のテストステロン値を計測するので、最終の受付が12時〜13時になります。
ですから、朝は余裕を持ってきたほうがいいですね。どうしてもお時間がとれない方は採血だけ、あとの検査は別の日に分けるとかもできます。
編集部
きちんと時間をかけて検査するんですね。
武田さん
ええ。男性更年期の症状は一概に定まっているわけではないので、早期診断や重症度評価のために、多角的に検査を行い、それをもとに診察をします。
患者さま一人ひとりの症状や背景に応じて、骨密度や筋肉量、血管年齢などの検査を組み合わせ、総合的に判断することが必要なんです。
男性ホルモンを補充!?
男性更年期の3つの治療法をDクリニック新宿 院長 小山太郎先生が解説
編集部
更年期障害だとわかったら、どのように治療していくんですか?
武田さん
代表的な治療法はテストステロン補充療法ですね。
注射でテストステロンを補います。テストステロン補充をすることで、症状を改善することを目的としています。
編集部
減ってしまった男性ホルモンを補充することで改善するんですね。治療の際に注意すべき疾患はありますか?
武田さん
あります。特に、前立腺がんや重度の睡眠時無呼吸症候群がある場合はホルモン補充はできません。
治療は月に1〜2回!Dクリニックなら土日も受付OK
編集部
治療の流れとしてはどのような感じなのでしょうか?
武田さん
検査の結果から、必要であれば内服薬やホルモン補充をおこないます。目安としては、毎月1〜2回きてもらうことが多いです。
ホルモン補充の場合は、その人の症状とか採血の結果をみながら内服薬に切り替えていくなどします。平日にお越しいただくことが忙しい方は、土日に受診することをおすすめします。
治療に加え、生活習慣の改善が肝!
編集部
クリニックの治療以外に、生活の中で改善できることはありますか?
武田さん
ええ。バランスの取れた食事、適度な筋トレやウォーキング、十分な睡眠時間の確保は、ホルモンバランスを整える上で欠かせないですね。
編集部
やはり健康的な生活習慣が大事なんですね。
仕事をしていると十分な睡眠時間を確保するのが難しい人も多い気がしますが……
武田さん
休日に寝溜めする方もいらっしゃいますが意味がないです。皆さん、お忙しいとは思いますができるだけ毎日の生活リズムを整えることが重要です。
余談ではありますが、必要以上に長い睡眠(9時間以上)は認知症(アルツハイマー病)の発症リスクを高めるという報告もあるのでおすすめできません。
アルツハイマー病は脳内にアミロイドβが異常に蓄積することで起こると考えられています。健康な人でも脳内にアミロイドβができますが、睡眠をとっている間に、脳内に蓄積したアミロイドβなどの老廃物を排出するシステムがあります。この排出システムは深い睡眠時に効率的に働きます。
睡眠時間が長いのは一見良いことのように思えますが、かえって睡眠の質が低下し、アミロイドβを効率良く脳から除去することができなくなってしまうそうです。
参考:とっとり認知症ポータルサイト「
睡眠と認知機能の関係 ~長時間の睡眠や昼寝のし過ぎはNG~」より
改善には6ヶ月以上かかると覚悟しよう
編集部
治療の期間としてはだいたいどのくらいかかるのでしょうか?
武田さん
治療は長期的になることが多いです。多くの患者さまが6ヶ月以上は継続していらっしゃってます。
定期的に受診する必要があるので、パートナーにも病気について理解してもらうことが大切だと思います。打ち明けるのは恥ずかしいかもしれませんが。
編集部
長期的な治療が必要となると、確かに家族やパートナーの理解が重要になってきますね。
若いうちから血中テストステロン値の測定をしておこう
編集部
男性更年期を予防するために、若者が今のうちから気をつけておくことはありますか?
武田さん
可能であれば、若い頃から定期的に血中テストステロン値を測定しておくことをお勧めします。
男性更年期を理解し、自分の体の状況を把握しておくことで、若いころから生活習慣の見直しや治療を始められるので、症状の進行を防げる可能性がありますからね。
編集部
自覚症状が出る前から、男性更年期障害への理解を深めて備えておくことが大切そうですね。
武田さん
ええ。男性は症状が出ていても更年期障害だと気づかないことがほとんどですので、知識を入れて、理解を深めておくというのも、予防や早期発見につながりますね。
社会的認知度はまだ低い
編集部
男性更年期障害に対する社会的認知度まだ低いと思いますが、そのことついてはどうお考えですか?
武田さん
そうですね。女性の更年期と比べると、男性更年期障害はまだ十分に認知されているとは言えません。
女性は婦人科がありますから、不調を感じたときに相談しやすいです。しかし男性にはそういった不調の際、受け皿がないですよね。この実態から分かる通り、男性の更年期障害に関する認知は10年20年遅れていると言われています。
編集部
確かに、更年期障害は女性の疾患だと思い込んでいる人も多いですよね。
武田さん
そうなんです。
そういった背景から私は「なんか具合が悪いからDクリニックに行こうかな」と思っていただける文化を作りたいと思っています。
EDの根本治療ならレノーヴァ
編集部
Dクリニックでは、男性の更年期障害で起こりやすいED治療にも力を入れているとお聞きしました。
武田さん
はい。ED治療法のひとつに「レノーヴァ」という治療があリます。これは陰茎に衝撃を与える衝撃波機器のことで、血管の新生を促し流量を増やすことが目的です。
実際のレノーヴァ。医療脱毛のマシンのように、筐体からアプリケーターが伸びていて、アプリケーターを陰茎に当てて治療するとのこと。
編集部
衝撃を与えるとは、具体的にはどのようなメカニズムなのでしょうか?
武田さん
陰茎と陰茎の根本の、左右にそれぞれ900回。合計3,600回の衝撃波を当てます。すると、血管の再生が促され、新しい血管を生成します。そうすることで海綿体への総血流量を増やし、勃起障害を改善します。
指でトントンと叩くくらいの強さで振動を与えるので、痛みが少ない治療です。脱毛のように、麻酔も使うこともありません。
また、全世界でも使われていて、臨床での効果も学会で発表されている治療法です。論文化されいろいろなジャーナルに掲載されているのでインターネットで調べれば効果を見ることができます。
レノーヴァ(RENOVA)による新血管生成メカニズム。総血流量を増やすのが目的とのこと。
武田さん
副作用の報告が無く、薬物療法と比較しても根本改善に効果があると言われています。
編集部
そのような治療法があるとは知りませんでした。
男性更年期障害かもと思ったら抱え込まずに相談
編集部
男性更年期障害について興味を持った人に伝えたいことはありますか?
武田さん
はい。男性更年期障害は身体面だけじゃなくて、精神面、性機能面にも大きな影響を及ぼす疾患です。
適切な治療とセルフケアを続けることで、症状を改善することもできますので、モヤモヤした不調を感じたら、一人で抱え込まずに専門医に相談することをおすすめします。
編集部
不調を感じたら我慢せずに相談することが大切ですね。
武田さん、貴重なお話をありがとうございました。
武田さん
こちらこそ、ありがとうございました。
男性更年期について、少しでも理解を深めていただければ嬉しいです。