すそわきがの対策とは?セルフチェックとセルフケア、治療法を解説
-
このコラムのポイント
-
すそわきがはわきがの陰部版。陰部のアポクリン汗腺から出る汗が雑菌に分解されて起こる特有のにおい。体質のせい
デリケートゾーンのケアは男性の約20%が実施・興味含め約4割が関心。ケアする男性に好印象を持つ女性も多く、においケアは身だしなみになりつつある
清潔・デオドラント・通気・除毛で多くは軽減できる。市販品は一時的な軽減向き。においが強ければボトックス・切らない機器治療・手術もある
すそわきがは、陰部(デリケートゾーン)のアポクリン汗腺から出る汗が、皮膚の雑菌に分解されて起こる特有のにおいです。わきの下の「わきが」と同じ仕組みが陰部に起きたもので、玉ねぎや古い鉛筆、スパイスのような独特のにおいと表現されます。病気ではなく、アポクリン汗腺の多さという体質によるものです。
すそわきがは、清潔・デオドラント・通気・除毛といったセルフケアで多くは軽減でき、日々の洗浄に使うソープを弱酸性・低刺激のデリケートゾーン専用ソープに見直すこともにおい予防に役立ちます。市販品は一時的なにおいケアに役立ちます。
デリケートゾーンのにおいケア、みんなどうしてる?
「自分だけが気にしているのでは」と感じる人もいますが、デリケートゾーンのケアは年々一般的になっています。アンファーが男女を対象に行った意識調査では、次のような結果が出ています。
数字で見る:男性のデリケートゾーンケア
| 調査でわかったこと | 結果 |
|---|---|
| ケアをしている人 | 男性 約20%(5人に1人)/女性 約30% |
| 関心のある男性 | 実施+「興味はある」で約4割 |
| 女性からの印象 | ケアを「行うべき」と考える女性の78%が、ケアする男性に「とても良い・良い印象」 |
| 女性が勧める理由 | ①身だしなみの一環 ②ニオイケア ③感染症予防 |
出典:アンファー「デリケートゾーンケアに対する意識調査」(男女対象のインターネット調査・2024年2月)調査結果を見る(PR TIMES)
つまり、においをケアすることは特別なことではなく、相手への印象にもつながる身だしなみのひとつになりつつあります。すそわきがも、正しく対策すれば過度に気に病む必要はありません。
※すそわきがは汗(アポクリン汗腺)による体質的なにおいです。恥垢など洗うことで落ちるにおいが気になる場合は、ちんこが臭いもあわせてご覧ください。
すそわきがとは?においの正体と、どこから臭うのか
汗を出す腺には、全身にある「エクリン汗腺」と、わきの下や陰部、耳などに多い「アポクリン汗腺」の2種類があります。アポクリン汗腺から出る汗にはたんぱく質や脂質が含まれ、これが皮膚の雑菌に分解されると独特のにおいになります。陰部にアポクリン汗腺が多い人は、このにおいが強く出やすく、これがすそわきがです。
汗そのものは出た直後はほぼ無臭で、時間がたって雑菌に分解されてにおうため、蒸れる環境ほど強くなります。においは「玉ねぎ」「古い鉛筆」「酸っぱい」などと表現されることが多く、人によって感じ方は異なります。
どこから臭うのかは、性器そのものというより、陰毛の生えているそけい部(足の付け根)や、陰嚢・性器のまわりなどアポクリン汗腺が集まる部分です。下着の中に熱や湿気がこもることでにおいが強まり、本人より周囲が気づくこともあります。
すそわきがになりやすい人の特徴とセルフチェックは?
すそわきがは体質によるもので、自分では慣れてしまって気づきにくいのが特徴です。次のチェック項目が多く当てはまるほど、その傾向があります。
すそわきがのセルフチェック
- わきの下のわきがもある
- 耳垢が湿っている(あめのような耳垢)
- 家族にわきが・すそわきがの人がいる
- 下着(パンツ)が黄ばむ、シミになる
- 汗をかきやすい、陰部が蒸れやすい
- 汗をかいた日や夏場にニオイが強くなる
- 入浴後は気にならないが、時間が経つとニオイが強くなる
- ポリエステルなど通気性の悪い下着を履くとニオイが強くなる
耳垢が湿っているのは、アポクリン汗腺が多い体質のサインの一つとされています。また、アポクリン汗腺の汗は下着の黄ばみやシミの原因にもなります。においのピークは、アポクリン汗腺が活発になる思春期から20〜30代にかけてとされ、ホルモンの影響を受けます。すそわきがは男女どちらにも起こります。
※自分でにおいを確かめるには、入浴前に陰部をティッシュやガーゼで軽く拭き、においをかぐ方法があります。「他人にわかるか」は蒸れ具合や距離によって変わり、軽度なら下着越しに密着しなければ気づかれにくい一方、汗をかいて蒸れた状態では強く出ます。
急にすそわきがになることはある?
すそわきがはアポクリン汗腺の数という体質がベースなので、ある日突然「発症」するものではありません。ただし、もともとの体質が、あるきっかけで強く出るようになることはあります。次のような要因でにおいが強まり、「急になった」と感じることがあります。
- 思春期や20〜30代でアポクリン汗腺の働きが活発になる(ホルモンの影響)
- 汗をかく季節・運動・肥満などで蒸れやすくなる
- ストレスや睡眠不足、動物性脂肪の多い食事
- 洗いすぎや締めつける下着で、皮膚環境が乱れる
裏を返せば、これらを整えるだけでも、においはやわらげられます。
自分でできるすそわきが対策は?
すそわきがは、においのもとである汗と雑菌を抑えることで軽減できます。まず取り組みたいのは、次のセルフケアです。
| 対策 | ポイント |
|---|---|
| 清潔に保つ | 弱酸性で低刺激のデリケートゾーン専用ソープを、よく泡立ててこすらずやさしく洗う。洗いすぎは乾燥や炎症を招くので注意 |
| 乾燥させる | 入浴後は水気をよく拭き、乾かしてから下着をはく |
| デオドラントを使う | デリケートゾーン用のデオドラントがドラッグストアでも手に入る。陰部に使える専用品を選ぶ |
| 通気をよくする | 綿など通気性のよい下着にし、汗をかいたらこまめに着替える |
| 除毛する | 陰毛を整えると蒸れが減り、雑菌が繁殖しにくくなる |
| 食事を見直す | 動物性脂肪の多い食事はにおいを強める一因。バランスのよい食事にする |
とくに効果を感じやすいのは、「洗う・乾かす・通気・除毛」で蒸れと雑菌を減らすことです。複数を組み合わせると、においはかなり抑えられます。
市販のデオドラント・クリームは本当に効く?
「すそわきがはクリームで治るのか」。結論から言うと、市販のデオドラントやクリームは、においを一時的に抑えるのには役立ちますが、すそわきが体質そのもの(アポクリン汗腺)を変えるものではありません。
選ぶなら、次のようなタイプが目安です。
- 殺菌タイプ … においのもとになる雑菌の繁殖を抑える
- 制汗タイプ … 汗を抑えて蒸れを減らす
- デリケートゾーン専用 … 刺激が少なく陰部に使えるよう設計されている。顔や体用を流用しない
日常的なにおいケアには市販品で十分対応できることも多いですが、「使っても気になる」「生活に支障がある」レベルなら、体質に踏み込む治療を検討するとよいでしょう。
洗浄料や洗い方を見直すと、においケアはさらに変わる
すそわきがのにおいは、汗そのものではなく雑菌による分解で強くなるため、日々の「洗う」ケアの質を上げることが対策の土台になります。洗浄料選びや洗い方を見直すときは、次の点を意識してみてください。
①専用の洗浄料を選ぶ

弱酸性・低刺激のデリケートゾーン専用ソープが基本ですが、においのもとになりやすい皮脂や汗をすっきり落としたいときは、炭・泥系の成分が入った洗浄料も向いています。最初から濃密な泡で出てくるタイプなら、泡立てる手間がなく毎日続けやすいのもポイントです。
②こすらず、泡で包み込むように洗う
洗いすぎやこすり洗いは皮膚を乾燥させ、かえって雑菌の繁殖しやすい環境を作ることがあります。最近は、きめ細かい炭酸泡が出てくるタイプの洗浄料もあり、マッサージするように洗うことで血行を促しながら鼠径部や陰嚢周りをこすらずすっきり保ちやすくなります。汗をかきやすく手洗いだけでは落ちにくい部分がきになる場合は、音波振動・イオン・温感機能を備えた防水対応のデリケートゾーン専用洗浄デバイスを使う方法もあります。
③保湿・乾燥までセットで
複数種のアミノ酸など保湿成分がセットで配合されている洗浄料でうるおいを補い、洗浄後はしっかり乾かしてから下着をはくこと。乾燥は、皮膚のバリア機能を低下させ、常在菌のバランスが崩れてにおいや炎症につながることもあります。
④外出先でのケアも
汗をかいたときは、外出先でも使える拭き取りシートやミスト、パウダースプレーで手軽にケアすると、1日を通して清潔な状態や通気性の良い状態を保ちやすくなります。デオドラントと併用しやすいのもメリットです。
いずれの場合も、洗浄・保湿はにおい予防や軽減には役立ちますが、体質そのもの(アポクリン汗腺)を変えるものではありません。セルフケアを続けても気になる場合は、後述の市販薬や治療を検討してください。
においが強いすそわきがは治療で対処する
セルフケアや市販品でも気になる、においが強くて生活に支障がある場合は、医療機関での治療を検討できます。「切らずに治す方法はないか」と探す人も多く、近年は切らない治療も選べます。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| ボトックス注射 | 汗の分泌をおさえる作用が期待される注射。切らずにでき、持続は数か月程度とされるが個人差がある。繰り返し受ける必要がある |
| 切らない機器治療 | マイクロ波などの機器でアポクリン汗腺にはたらきかける方法。もともとわきの下(腋窩)向けの機器を応用するケースが多く、陰部に使えるかは医療機関で確認が必要 |
| 手術(汗腺の除去) | アポクリン汗腺を取り除く方法。においへの効果が高い一方、体への負担や傷がある |
保険が使えるかは術式によります。わきの腋臭症手術(剪除法)には保険が適用される場合がありますが、すそわきが(陰部)の治療や、ボトックス・機器治療は自費になることが多いです。自由診療は医療機関によって費用に幅があるため、対応している美容皮膚科や形成外科で、方法・費用・保険の可否を確認してください。
受診を考えたほうがよいのはどんな場合?
次のような場合は、セルフケアだけで抱え込まず、皮膚科や美容皮膚科・形成外科に相談すると対処の幅が広がります。
- セルフケアをしてもにおいが気になり、生活や対人関係に支障がある
- 下着の黄ばみが強く、わきがもある
- かゆみ・赤み・ただれをともなう(別の皮膚トラブルの可能性)
- 切らない治療や根本的な治療を検討したい
まとめ
すそわきがは、陰部のアポクリン汗腺による特有のにおいで、体質によるものです。耳垢が湿る、わきがもある、下着が黄ばむといったサインがチェックの目安になり、においは陰毛のあるそけい部や性器のまわりから出ます。
デリケートゾーンのケアはすでに一般的で、ケアする男性に好印象を持つ女性が多いという調査結果もあります。清潔・乾燥・デオドラント・通気・除毛といったセルフケアで多くは軽減でき、日々の洗浄を弱酸性・低刺激のデリケートゾーン専用ソープに見直すこともにおい予防で役に立ちます。市販品は一時的なにおいケアに役立ちます。それでも気になる場合は、ボトックスや切らない機器治療、手術といった治療もあるため、美容皮膚科や形成外科で相談してください。
参考文献
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「汗の病気」 https://qa.dermatol.or.jp/qa32/index.html
- アンファー株式会社「デリケートゾーンケアに対する意識調査」(PR TIMES・2025年3月13日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000588.000013377.html






