【症状別で服用】LOH症候群を改善サポートする漢方薬の効能を調査
-
このコラムのポイント
-
LOH症候群(男性更年期障害)は男性ホルモン低下による多様な症状を伴う疾患で、身体面、精神面、性機能面に影響を与える。
漢方薬はLOH症候群の症状緩和に効果があり、症状や体質に応じて八味地黄丸、補中益気湯などが処方される。単独または男性ホルモン補充療法と併用される。
適切な治療には専門医による正確な診断が重要。Dクリニックなどの専門施設では、個々の症状に合わせた治療法(漢方薬、ホルモン補充療法など)を提案している。
体・心・性機能にさまざまな症状が現れるLOH症候群。仕事や日常生活へ支障をきたすこともあり、症状が悪化すると他の疾患を引き起こす可能性がある病気です。
LOH症候群の治療方法はいろいろなものがありますが、病院では症状に合わせて漢方薬が処方されるケースがあります。「疲れを感じやすくなった」「めまいやほてりなどが起こる」「イライラすることが増えた」そんな不調を感じている方は、LOH症候群にかかっている可能性があります。
ここで紹介する主な症状に心当たりのある方は、漢方薬の効果、病院ではどのように漢方薬が扱われているのかをチェックしてみてください。
1.LOH症候群の主な症状
LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症・加齢性腺機能低下症)は、男性更年期障害とも呼ばれている病気です。発症すると身体・精神・性機能にさまざまな更年期症状が現れます。
主な身体症状
- 骨・関節・筋肉の痛み
- 筋力低下
- ホットフラッシュ(めまい・ほてり・多汗)
- 内臓脂肪の増加
- 睡眠障害(不眠・寝つきが悪いなど)
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
主な精神症状
- 憂うつ感
- イライラ
- 不安
- だるさ
- 意欲低下
主な性機能症状
- ED(男性機能障害)
- 性欲の低下
- 朝立ちの減少
- 頻尿
1−1.原因となるのは男性ホルモンの低下
女性の更年期障害の場合、閉経時期前後の急激な女性ホルモン低下が原因になりますが、男性の更年期障害であるLOH症候群は、男性ホルモン(テストステロン)の分泌低下によるものです。
男性ホルモンは20代をピークに、年齢を重ねるとともに徐々に低下していきます。男性ホルモンには男性の体や心を作るために大きな働きがあるため、減少することで不調が現れるようになります。
男性ホルモンの主な働き
- 攻撃性や意欲を高める
- たくましい体を作る(骨・筋力の成長促進)
- ヒゲを生やす
- 認知機能
- 動脈硬化予防
- メタボ予防
- 性欲を高める
- 男性機能の維持・成長促進
人によって起こる症状が異なり、症状の重さにも個人差があります。また、LOH症候群は40代以上の更年期に起こりやすい病気ですが、生活習慣やストレスから減少度合いも異なります。20代・30代の若い方や、更年期が過ぎた60代以降の方にも起こり得る病気です。
また、遊離型テストステロン値(血中の男性ホルモン値)が基準値より低くても発症しない方もいます。そのためLOH症候群は総合的に診断を行い、症状をしっかりと見極めて正確に判断することが大切です。
2.LOH症候群に漢方薬はどのような効果をもたらすか?
漢方薬は自然の植物や鉱物から作られる生薬を配合して作られます。種類によってさまざまな不調の緩和に効果があると考えられており、あらゆる病気の治療に用いられています。
いろいろな生薬を組み合わせているため、1剤で複数の症状緩和に有効です。そのため、体全体のちょっとした軽い不調や原因がわかりにくい症状の解消にも向いています。
そのことから、LOH症候群(男性更年期障害)の治療のひとつとして定着しており、テストステロン値がそれほど低くなく症状が現れている場合や、複合的な症状がある場合などに処方されることがあります。
3.ケース別で使い分けるそれぞれの漢方薬
漢方薬は症状だけでなく、体質によって処方される種類が異なります。自分に合っていない漢方薬を服用しても効果を発揮しないため、漢方薬に精通した専門の医師による正しい処方が必要です。
すべての方に当てはまるわけではありませんが、ケース別にどのような漢方薬が処方されるのかを確認してみましょう。
3−1.精神・肉体に衰えを感じているケース
LOH症候群は、精神や肉体に衰えを感じるような症状が現れることが多くあります。その場合は、症状・体質に合わせて次のような漢方薬が処方されます。
【八味地黄丸(はちみじおうがん)】
八味地黄丸は、地黄(じおう)、沢瀉(たくしゃ)、桂皮(けいひ)、附子(ぶし)など8種類の生薬を配合しています。漢方でいう「腎」の働きを良くする漢方薬で、体力が低く疲れやすい方に向いています。
「腎」は膀胱や生殖器の働きも含まれているため、頻尿など尿トラブルの症状緩和に効果的です。また体を温めることから、中年以降に起こりやすい手足の冷えの改善にも有効とされています。
【六味丸(ろくみがん)】
六味丸は、八味地黄丸から「桂皮」と「附子」を省いた6種類の生薬を配合した漢方薬です。体力が低く疲れやすい方、頻尿などの尿トラブルのある方に向いています。冷やす作用があるため、ほてりの改善に効果があるといわれています。
【牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)】
牛車腎気丸は、八味地黄丸の処方に「牛膝(ごしつ)」と「車前子(しゃぜんし)」を加えた漢方薬です。体力が低く、疲れやすさ、足腰のしびれや重だるさ、慢性的な腰痛などの症状がある方に向いています。むくみ、冷え、頻尿などの更年期症状に処方されるケースが多いようです。
3−2.疲労感が目立つケース
疲労感のある症状には、次のような漢方薬が処方されます。
【補中益気湯(ホチュウエッキトウ)】
補中益気湯は体力虚弱で疲労感や意欲の低下、食欲不振、だるさなどの症状がある方に処方されることの多い漢方薬です。胃腸の働きを高めて虚弱を回復させる効果が期待できます。
【加味帰脾湯(かみきひとう)】
「加味帰脾湯」は、体力が低く、心身に疲れがあり、不眠、眠りが浅いなどの睡眠障害がある方に処方されます。精神安定の効果も期待できるため、精神症状がある場合にも効果があるようです。
【柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)】
体力があり、精神不安や不眠などを伴う疲労感のある方に処方されます。神経過敏、動機、無気力、うつ傾向にある場合にも効果が高いようで、ストレスや過労から引き起こされる症状緩和に向いています。
4.病院における漢方薬の扱われ方
LOH症候群は泌尿器科や内科、精神科などで治療を行うことができます。問診票によって自覚症状をチェックし、男性ホルモン低下度合いを調べるために、テストステロン値を測定する血液検査などで症状の原因を診断します。
診断の結果、テストステロン値が低く、男性更年期治療が必要となった場合はテストステロン(男性ホルモン)補充治療を行うのが一般的です。男性ホルモン補充治療は注射によってホルモン剤を投与し、症状の改善を目指す治療方法です。
高い効果のある治療方法ですが、前立腺癌や前立腺肥大症に罹患している方は、身体に影響をおよぼすこともあるため、正しい知識をもつ医師に相談しましょう。
また、テストステロン値が低くない状態で症状が出ている方、症状が軽い方なども漢方薬が処方される場合があります。専門の医師に相談しましょう。
4−1.漢方薬単体か男性ホルモン補充治療との併用
漢方薬は単体で処方されるケースもありますが、テストステロン(男性ホルモン)補充治療と併用することで高い効果が期待できるものです。漢方薬はテストステロン値に関わらず処方でき、LOH症候群によって合併症が引き起こされている場合の症状緩和に役立ちます。
身体症状、性機能症状、精神症状と多方面の症状を緩和できる反面、すでに症状が重くなっており即効性が求められている場合には、男性ホルモン補充治療が有効です。
最も効果的な治療方法で改善を目指すためには、LOH症候群の知識が豊富で治療実績の多い病院に相談することが重要です。近年では男性更年期障害を専門に扱う「男性更年期外来」を設けている病院も増えています。
すでに体の不調を感じている方は、専門の医師による診断を受けて治療を行いましょう。
5.Dクリニック東京・Dクリニック大阪は、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています
Dクリニック東京・Dクリニック大阪は、男性の悩みに特化した専門の病院です。男性更年期外来を設けており、注射やクリームによるテストステロン(男性ホルモンの一つ)補充治療などさまざまな治療方法の中から、患者の症状に見合った最善の治療方法が提案されます。
LOH症候群は他の病気と見分けにくく、日常的な疲れと間違えてしまうことも多い病気です。正しく診断をするために、「男性力ドック」をまず受けてみるのも賢い選択です。病院では総合的な検査を行ったうえで知識のある男性の医師による診察が行われます。
より詳しく知りたい方や、男性更年期外来をご検討の方は「Dクリニック東京の男性更年期外来」をご覧ください。
性機能低下や頻尿など、相談しにくい症状がある方も相談しやすい環境なので、気になる症状があったら気構えせずに相談してみましょう。
Dクリニック東京の男性更年期外来
体質や症状に応じて漢方療法を提案する専門の病院
LOH症候群は働き盛りの中高年男性だけでなく、幅広い年代の男性に起こります。休日に出かける元気がなくなったり疲れやすくなったりしはじめたのなら、LOH症候群を発症しているかもしれません。
漢方療法での治療は、体質や症状に応じて適切な漢方薬を処方する必要があります。病院を選ぶ際には、自分に合った治療方法を正しく提案してくれる専門の病院を受診しましょう。