隠れ男性更年期(LOH症候群)の見極め方法。遺伝子検査でもわかる?
-
このコラムのポイント
-
男性更年期障害は幅広い年代で発症し、ストレスや生活習慣が影響する。
症状は多岐にわたり、専門外来での総合的な診察が効果的。
適切な診断と個別化された治療が重要で、早期発見・治療が望ましい。
「疲れがとれない」「やる気が起きない」など、体の不調が起こる男性更年期障害。更年期だけでなく幅広い年代に起こる病気ですが、日頃の疲れや年齢のせいと感じてしまう症状もあるため、なかなか発症に気づかないことがあります。
また、症状があっても病院で男性更年期障害と診断されないケースもあります。そんな隠れ男性更年期を見極めるにはどうすればいいのでしょうか。
1.男性の更年期(LOH症候群)とは?

正式には「LOH症候群」と呼ばれる男性更年期障害は、体や心、性機能にさまざまな症状があらわれる病気です。更年期障害というと40〜50代の中高年男性に起こるものとイメージしますが、30代や、更年期を過ぎた60代の男性にも起こる可能性があります。
その理由は、男性更年期障害の原因となる男性ホルモンにあります。男性ホルモンは身体や精神の活性を促す働きがありますが、20代をピークとして徐々に減少しはじめます。ストレスや生活習慣の影響で男性ホルモンの減少の度合いに個人差があるため、発症年齢が異なるのが特徴です。
1−1.男性更年期になりやすいと言われるタイプ
男性ホルモンの減少はストレスや生活環境が関わっていることから、社会生活でストレスを感じやすい生活をしている方や不規則な生活をしている方は男性更年期障害の発症リスクが高いといえます。また、退職などで社会生活との関わりがなく、ドキドキワクワクするようなことがない方も要注意です。
例えば、
- 趣味の時間を持てていない
- 友人と遊ぶ機会が少ない
- 働きすぎている
- 会社を辞めてから家に引きこもりがち
といった方は男性更年期障害になりやすいタイプといえるでしょう。
男性ホルモンの分泌量を高めるには、生きがいを感じて毎日を楽しく過ごすことが重要なポイントとなります。
2.その不調、更年期かも?簡単なセルフチェック

専門の医療機関では男性更年期障害の診断を行う際に、症状をチェックする質問票を使用するのが一般的です。疲れからくる不調だと思っていたら、実は男性更年期が原因だったということもあります。まずはセルフチェックをしてみましょう。
3.これは男性更年期!?気になったら病院へ相談

専門の医療機関では男性更年期障害を正確に診断するために検査を行います。たとえセルフチェックで合計点が少ない場合でも、可能性はゼロとは言えません。気になる症状があったら専門医師に相談するのがおすすめです。
男性更年期障害は多様な症状が現れるため、どの診療科を受診したらいいのかわからないという方もいるでしょう。診療科は自覚症状に合わせて選ぶのがポイントです。
3−1.症状別で異なる診療科
具体的な症状をチェックして、どの診療科に行くのが適切なのか確認しておきましょう。
- 多汗:暑くないのに汗が出る・着替えが必要なほど汗が出る
- めまい:突然クラクラと目が回る・耳鳴りがする
- ほてり:急に体が暑くなる
- 睡眠障害:眠りが浅い・寝つきが悪い
- 筋力の低下:階段がきつく感じる・筋肉が落ちたと感じる
- 肥満・メタボ:体が重く感じる・体重が増えた
- 関節痛・筋肉痛:手足や背中、腰などに痛みがある
このような身体症状があったら「内科」を受診しましょう。
このような精神症状があったら「精神科・心療内科」を受診しましょう。
- イライラする:なんでもないことで機嫌が悪くなる・つい周りに当たってしまう
- 不安感:自分の絶頂期は過ぎたと感じる・パニックになることが多い
- うつ:憂うつな気分が続く・罪悪感を持ったり、自分を傷つけたくなったりする
- 集中力・記憶力の低下:仕事でミスすることが多くなった・仕事に時間がかかってしまう・物忘れが激しい
- 食欲の変化:食欲が増した・食欲が少なくなってきた
- 意欲低下:好きなこともやる気が出ない・無気力になる
- 朝立ちの減少:朝に勃起することが減った
- 男性機能障害:勃起が長く続かない
- 性欲の減少;性的衝動が起きない・セックスを楽しめなくなった
- 頻尿:すぐトイレに行きたくなる・眠っている間に尿意で目が覚める
このような症状があったら「泌尿器科」を受診しましょう。
多くの場合、症状が複合的に現れます。複数の症状があり、どの医療機関に行こうか悩んでしまう時には「男性更年期専門外来」のある医療機関を受診するのがおすすめです。
性機能の症状や精神的な症状は一般病院で相談しにくいという方もいます。専門の医療機関では同じような悩みを抱えた男性が相談にくるため、人目が気になりにくいのもメリットです。たくさんの症例を診てきた専門の医師に相談できるので、原因のわからない症状を感じたら専門の医療機関を受診してみましょう。
4.専門の医療機関での検査と治療方法について

専門の医療機関では症状をチェックするための質問票と合わせて、男性ホルモン値を測定する血液検査や前立腺がん検査(PSA値測定)などの検査を行います。
男性更年期障害と診断された場合、最適な治療方法を施行します。
男性更年期障害の治療法
テストステロン(男性ホルモン)補充治療
ホルモン剤を注射で投与し、男性ホルモンを補う治療方法です。男性ホルモンが低く、前立腺肥大症や前立腺がんなどのない方が対象になります。状態によってはクリームで治療する場合もあります。
漢方薬
男性ホルモンがそれほど低くない場合や、持病によって男性ホルモン補充治療を行えない場合は漢方薬で治療するケースもあります。複合的な症状緩和にも効果的で、男性ホルモン補充治療とあわせて処方されることもあります。
ED治療薬・抗うつ剤など
性機能症状にはED治療薬、精神症状には抗うつ剤や睡眠薬など、症状に合わせて内服薬で治療を行う場合もあります。男性更年期障害の症状改善には医師の正確な診断が必要になるため、自己判断で市販薬などを服用しないようにしましょう。
5.隠れ男性更年期?アンドロゲンレセプター遺伝子検査

男性更年期障害は男性ホルモン値の数値が重要な診断材料ですが、なかには男性ホルモン値が正常でも症状を感じる方もいます。そのため、さまざまな視点から検査を行い、男性更年期障害の可能性を調べることが大切です。
「アンドロゲンレセプター遺伝子検査」は、男性ホルモンの感受性を調べることができます。AGA(男性型脱毛症)の検査として行われることがありますが、医療機関によって男性更年期障害のオプション検査になっています。
多方面から症状を診断したい方、男性ホルモンに影響を受けやすい体質なのか調べたい方は専門の医療機関で検査を受けてみましょう。遺伝子検査の前に、まずはテストステロン値を調べることも肝心です。
6.Dクリニック東京・Dクリニック大阪では男性更年期障害(LOH症候群)の治療ができます

男性更年期障害は早期発見がポイント
Dクリニック東京・Dクリニック大阪では、「男性ホルモン検査」でさまざまな検査を行い、多方面から症状の原因を診断して治療にあたっています。
「男性更年期障害かどうか、わからない」「ただの疲れだろうから、病院に行くほどではない」という方こそ、一度受診されることをおすすめします。
より詳しく知りたい方や、男性更年期外来をご検討の方は「Dクリニック東京の男性更年期外来」をご覧ください。少しでも男性更年期障害の不安がある方は、まずは相談することが大切です。
正しい診断によって男性更年期を改善する専門病院
男性更年期障害の症状は他の病気の症状との判別が難しく、日常的な疲労と勘違いして見過ごしてしまう場合もあります。改善を目指すには総合的な検査を行い、正しく診断することが大切です。
病院で問題ないと診断された方や、うつ病などの病気と診断された方の中には、症状が一向に改善しないというケースもあります。その場合は、隠れ男性更年期の可能性も考えられますので、一度専門の医療機関へ相談してみましょう。
